軍神のサポートを得て「愛のハイエナ」出演中の山本裕典に復活の気配
たびたびドラマや映画に登場するホストクラブ。きらびやかな内装にド派手なスーツを着た金髪の若い男たちが織り成すシャンパンコール。少し前に売掛金問題で話題になっていたが、個人的には全くいい印象はない。しかし、怖いもの見たさなのかのぞいてみたい職業のひとつではある。 そこでまず紹介したいのはABEMAで配信されている「愛のハイエナ」。ニューヨーク&さらば青春の光がMCを務め、人間にリアルな本性を暴くバラエティー番組。民放ではあまり見かけなくなったタレントたちがさまざまな企画にチャンレンジする。いい意味で昭和ノリの番組である。その中でも「山本裕典、ホストになったらいくら稼げるのか」が面白い。 内容はタイトルそのままで、俳優・山本裕典がシーズン1では歌舞伎町の、シーズン2では大阪のホストクラブに入店し売上を上げるというもの。山本といえば数年前に事務所を解雇になっていた経緯もあり、ホストクラブ同様こちらもあまりいい印象がない。おそらく世間の人もそう思っているのだろう。しかし、この番組をみて印象がガラリと変わった。 まず興味深かったのがホストクラブのシステム。初回来店(90分)なるものがあり、10人のホストが1人持ち時間9分で接客する。そして最後に見送るホストを1人だけ指名(送り指名)し、延長するかどうかの交渉となる。スタートラインは全員同じ、まずは送り指名をもらい延長してもらうことからはじまる。すごくシステマティックな上、9分間に全力で挑むホストたちの姿を見てイメージと違い、当たり前だがどの業界も大変なんだなとしみじみと思った。 そこで山本裕典、歳が一回り以上離れたホストたちからあおられバカにされるが、なんとか仕事を覚えようと頑張る姿を見せる。指導にあたるのは店のプロデューサーである“軍神”心湊一希(みなといつき)。彼と二人三脚で、どうすれば送り指名をもらえるかを冷静に分析していく。そこには、芸能界の一線で活躍していたおごりは一切なく、何事も前向きに捉えていく姿に何故か感動すら覚える。 ホストクラブという特殊な環境だからこそ素の部分がより浮き彫りになり、気が付けば人間・山本裕典に夢中になっていた。最近では俳優活動も再開したとのことだが、今後の活躍に注目したい。(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画監督・谷健二の俳優研究所」) ◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。直近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」が公開。