バレンシアFWウーゴ・ドゥロ「ヴィニシウスが観客にした『2部に落ちろ』ジェスチャーは醜かった」|ラ・リーガ
バレンシアFWウーゴ・ドゥロが、昨季ラ・リーガのバレンシア対レアル・マドリードを振り返った。 昨年5月にメスタージャで行われ、1-0でバレンシアが勝利したその一戦では、レアル・マドリードFWヴィニシウスを中心に大きな騒動が巻き起こった。 試合の後半、ヴィニシウスはバレンシアのサポーターから人種差別を受け、行為に及んだ人間を指差しながら訴えた。バレンシアは試合後、差別行為に及んだ3名を特定して永久追放処分とし、またヴィニシウスは現在その3名を相手取った裁判に臨んでいる。この出来事は、ラ・リーガの人種差別に反対する運動をより確固たるものにした。 ウーゴ・ドゥロは3月2日に行われるラ・リーガ第27節、メスタージャでのレアル・マドリード戦を前にスペイン『アス』とのインタビューに応じ、昨季の出来事について振り返った。今季10得点を決めている好調のストライカーは、差別的な行為に及んだ3人を非難するとともに、一部で観客全体がそうした行為に及んでいたとの見方がされていることについては否定的な見解を示している(なお裁判において大多数の観客が差別行為に及んでいたとヴィニシウスが主張したともされていたが、スペイン『EFE通信』曰く同選手が訴えたのは自ら差別行為に及んだと指摘した3人のみだった)。 「あれは3人のバカな人たちがやったことであり、別に社会を反映しているわけではない。メスタージャが人種差別のスタジアムで、バレンシア全体が人種差別の地域というコメントを目にしたよ。どこか海外の新聞がスペイン自体が差別の国と記しているのもね。でも、それは明確にノーだ。この事件では3人の愚か者たちがいたというだけで、それがメスタージャ、バレンシア、そしてスペインを反映しているわけじゃない」 「スペインにはあらゆる人間を許容する社会があると思っている。メスタージャは、相手にとって勝つのが難しいスタジアムなだけだ。次の土曜日、世界中の人々がそうした様子を目にできれば素晴らしいね」 また昨季の試合の終盤には、ヴィニシウスがウーゴ・ドゥロへの暴力行為によって一発退場となっている。ヴィニシウスは自分の首付近を腕で押さえ込むウーゴ・ドゥロを振り払おうとして、彼の顔に腕を当てたことでレッドカードを提示された(その後に処分は取り消されている)。バレンシアFWはあの場面については、次のように説明した。 「あの試合は本当にヒートアップしてしまって、ヴィニのことが起こった。乱闘が起こって、僕はヴィニをギオルギ(ママルダシュヴィリ)から引き離そうとしただけだったんだ。でも自分で振り返ってみて、あのやり方は誇りが持てないものだった。あんなことをする意図なんてなかったし、ただ彼を引き離そうと思っただけだったんだよ」 「謝罪をしていなかったとしたら、謝りたい。ヴィ二は理解してくれていたと思う……。まあ、僕もあのときには掴まれたりしていたわけだけどね。あの乱闘騒ぎは、凄まじい緊張感の中で起こってしまったものだ」 レッドカードを提示されたヴィニシウスはピッチを後にする直前、“2部へ落ちろ”という意味を込めて指を2本立て、メスタージャの全客席に示した。ウーゴ・ドゥロはそのジェスチャーについては、ヴィニシウスを非難している。 「試合の終わりにも言わせてもらったんだけどね。ひどく緊張した雰囲気の中で、相手のサポーターに向けてああしたことをするのは、とても醜い行為だ。彼がすべきことはピッチ上でのプレーのはずだ。あのとき彼は間違いを犯したし、そこから学んでくれたこと、これまで通りのプレーを見せてくれることを期待しているよ。彼はフットボールのレベルは、本当に素晴らしいわけだからね」
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