「丹波」つながりで”一等地”へ 特産提供の菓子店 東京・文京区で移転/兵庫・丹波市
菓子製造・販売業、株式会社やながわ(兵庫県丹波市春日町野上野)が、「丹波やながわ東京春日店」(東京都文京区)を移転した。新店舗を構えたビルは、”駅チカ”の一等地で、口歯科専門医の祖とされる丹波兼康の子孫がオーナー。丹波の菓子と丹波姓が偶然つながった。柳川拓三社長(70)は「丹波のブランドを首都圏から間接的に世界へ広げられる」と期待する。 新店舗は本郷三丁目駅近くの「かねやすビル」1階。人通りが多い上に間口が8メートルと広く、西日が当たらないため、商品が傷みにくいという。オープン以降、一日平均の来店者数は旧店舗の20倍以上の650人に及び、外国人、観光客など層も幅広い。 看板商品は、春日大納言小豆や、丹波市産の卵などを使ったどら焼き「どら福」。春日大納言小豆と玉露を合わせた大福「かねやす」や、黒豆きな粉を生かしたわらびもちなど、約50種類を販売する。丹波布、丹波焼にのせて陳列する。 旧店舗は来店者数が伸びず、同区内で移転を考えていた。 移転先は、江戸時代には歯磨き粉を販売する店として栄えたが、近年はシャッターが閉まっていた。柳川社長がオーナーに、出店への熱い思いをしたためた手紙を「駄目元」で送ったところ、オーナーがたまたま丹波姓の兼康の子孫という縁もあり、借りられることになった。 同社は、春日町黒井生まれとされ、徳川家光の乳母を務めた春日局つながりで、6年前に菩提寺の麟祥院がある同区に進出。同寺で毎年10月に営まれる法要「春日忌」に出店している。同寺近くの商店街で丹波の食材を提供する「フェア」に参加したり、春日局が家光に唱えていた言葉をあしらった木札を販売したりしてきた。 東京春日店の営業時間は午前10時―午後7時。日曜定休。