「コザ高にだけない」記念碑 1965年の甲子園初出場から約60年 「監督が元気なうちに」OBら念願の建立 沖縄
【沖縄】沖縄市にあるコザ高校の敷地内にこのほど、1965年春の甲子園初出場を記念した碑が完成した。これまで記念碑がなく、監督だった安里嗣則さん(83)が元気なうちにと、当時の部員や卒業生などでつくる「コザ高OB有志の会」が建立し、約60年越しに完成した。(社会部・屋宜菜々子) 【写真】延焼を防ごうとホースを持ち、消火活動に取り組む沖縄工業高校の野球部員ら 本島中部から春の甲子園に初出場を果たしたコザ高。昨年6月、安里さんと教え子が集まり食事会を開いた際に、他の中部の甲子園出場校には記念碑があるが「コザ高にだけ、いまだにない」と話題に上がったのがきっかけ。安里さんが元気なうちに完成させようと有志で企画し、寄付金を活用して建立した。 3月18日に行った除幕式に参加した安里さんは「立派な記念碑。元気が出てくる」と喜んだ。同席した現役の野球部員に「うんと練習して、ぜひ甲子園に出てください」とエールを送った。 出場時の副主将で、有志の会メンバーの平良章次さん(76)は碑を前に、船と列車を乗り継いで甲子園へたどり着いた思い出を振り返った。 記念碑には、横断幕を掲げて多くの観衆が見送る中、那覇港を出発する様子や、甲子園球場を堂々と行進する部員の写真も掲示されている。 式に参列した野球部3年の安里琉汰副主将は「隣に新しい記念碑を建てられるように頑張ります」と決意表明した。OB有志の会は野球部へボール30ダースとバット3本を寄贈した。 (写図説明)1965年春の甲子園初出場記念碑の完成を喜ぶ当時の安里嗣則監督(前列左から3人目)やメンバー、現役の野球部員ら=3月18日、沖縄市・コザ高校