夏休み「節約しつつ家族で楽しむワザ」を、日々を楽しむアイディアのプロに聞きました【連載・節約のくふう】
スーパーの買い物総額に驚き、光熱費の請求金額を見てため息をつく。そんな日々を送っていると「楽しく暮らす」と「節約」の両立が難しいと感じることもありますよね。家計管理の達人や専門家から、がんばりすぎない家計管理を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。第8回目のテーマは「“いま”を楽しむ」です。 【画像12枚】人気の漫画家・イラストレーターのむぴーさん一家(5人家族)の「お金を使わずに半径1キロ圏内で楽しむアイディア」を画像で見る! お話をうかがったのは、育児中のほほえましい日常を描いたコミックエッセイが人気の漫画家・イラストレーターのむぴーさん。夏休みにも大活躍する「日常の“楽しい”を増やすアイディア」や、「支出を削るところと、削らないところの見極め方」を教えていただきました。 まずは、3人のお子さんを育てるむぴーさん一家の、これまでの家計管理の変遷から。
「身を削るような節約」を経験して、確立した「ここは削る」「ここは削らない」
首都圏で働いていたむぴーさんが結婚したのは、10年前。 当時は恋人だった夫の就職が決まり、むぴーさんは仕事を辞めて大阪に引っ越しました。 「当時、2人とも若くてお金がありませんでした。ずっとこの人といたい、お金がなかったら一緒にがんばればいいと思って結婚しました。でも、結婚直後は本当にお金がなくて(笑)。 今、振り返れば、“身を削る”ような節約をしていたと思います」(以下「」内、むぴーさん) 光熱費を惜しみ、食費をとことん切りつめ、休日に出かけるときには昼ご飯を食べてから……という生活。メディアで紹介されているような節約方法を一通り試してみました。 「光熱費の節約のために多少の暑さ・寒さには耐えようとしていた時期もありました。必要に迫られた節約ではあったけど、今になって思えば、あそこまでする必要はあったのかな……と思う節約方法もありました」 (※編集部注:特に夏場は室内での熱中症なども多く、過度な節電は危険が伴います。冷暖房は適度に使用するようにしてください。) 節約生活はしばらく続きましたが、夫の収入が安定し、むぴーさんも再び仕事を始めたことで、以前と比べて経済的な余裕が出てきたというむぴーさん一家。現在は、家計簿アプリ『Money Forward』でお互いの支出入を把握し合い、夫婦で協力して家計管理をしています。 ♦️「いつかやりたいこと」を後回しにしないと決めた むぴーさんは、徹底した節約生活を経験したことで「この支出は、削る」と「ここは削らない」の軸が確立していったといいます。 まず「削る」の筆頭は、固定費。光熱費や携帯のプランなど、毎月、一定金額払うお金については、夫婦で定期的にリサーチして最適なプランを選択しています。 一方、「削らない」と決めているのは、大切な人たちと過ごすお金と時間です。 その理由について、むぴーさんはこう語ります。 「コロナ禍になって、いろんなところに行けなくなって、いろんな人に会えなくなりました。その時期に、私の祖母や夫の祖父、親しかった人が、会えないまま亡くなってしまうという経験をしたんです。 それまでは、“今は子どもが小さいし、お金がかかるし、やったら楽しいことは将来にとっておこう”と考えていました。 でも、家族がいつまで健康で一緒に過ごせるかわからないし、会いたい人に会えなくなる日がいつくるかわからないと気付いてからは、“いつかやりたい”を後回しにしたくない、と思うようになりました」 大切な人と「今日」「いま」を楽しく過ごすお金と時間は「削らない」と決めたむぴーさん。 ですがそれは、なんにでもお金をかける、ということではありません。本当に必要な出費をしっかり見極めつつ、日常生活を楽しく過ごすために、家族での体験を2種類に分類しているそう。 (1)大きな出費が不要で、気楽に取り入れられる「日常生活が楽しくなるアイディア」 (2)日常にワクワクが波及するような「お金を使って楽しむ非日常体験」 家計の状況に応じて、この2つをバランスよく繰り出しながら、「家計管理」と「楽しい暮らし」を両立させているそうです。