自己最多25得点で千葉ジェッツを快勝に導いた原修太の手応え「まだまだ課題はありますが、強くなっている印象はあります」
キャリアハイ更新の25得点「チームメートが流れを作ってくれたおかげ」
外角シュートがあり、強靭なフィジカルと機動力で、ガードからビッグマンで守ることができる。千葉Jのスタイルを象徴する原修太は、この試合で3ポイントシュート15本中7本成功を含むキャリアハイの25得点をマーク。守備では208cmのアレンとマッチアップしても簡単にインサイドアタックを許さないなど、攻守で際立っていた。 「ムーン、クリスがケガをしてすごく厳しい戦いになると予想していましたが、こうやって勝つことができたのは大きいです。明日も主力選手がいないことを言い訳にせず、今日みたいに戦っていけたらと思います」 こう試合を振り返る原は、自己最多の得点について「気づいたら更新していた感じです」と語り、周囲のサポートに感謝する。「ムーンがいない分、パスをシェアしていて、その流れで僕も多くシュートを打つことができました。ゾーンに入っていたというより、チームメートが流れを作ってくれたおかげで、たくさんシュートが打てた結果の記録だと思います」 この試合では原がボール運びを行い、プレーコールを行う場面も目立った。この点については、次のような意図があると明かす。「富樫がビッグゲームで本当に乗っている時は任せっきりでもいいですが、今はシーズン中で、チームとしてステップアップしていくためには、X(クックス)や僕から始まるオフェンスをやっていけたらと思っています。これは(西村)文男と話していく中で生まれたもので、文男がいない時は僕が運んでコールプレーをすることを意識しています」 また、これから自身がより積極的にオフェンスに絡んでいきたいと、中心選手としての強い自覚を見せる。「今まで任せっきりにした部分もありますが、天皇杯が終わった辺りから自分でエントリーして、オフェンスを作ろうという意識が増しています。それが今日はうまくいきました。波があるので、毎試合これくらいの活躍ができるようにしていきたいです」 水曜ゲームで宇都宮に大敗したが、ムーニー不在の中での川崎相手の快勝と、天皇杯での圧勝も含め、ここに来てチーム力は確実に底上げされている。原も「去年からメンバーも変わった中で、特に聡理、(小川)麻斗、(金近)廉といった若手も本来の実力を発揮してきてくれるなど、チームとしてステップアップできています。まだまだ課題はありますけど、強くなっている印象はあります」と手応えを語る。 そして、原個人も手術による離脱を経て、徐々にコンディションが安定してきていると好感触を得ている。「休んでいた分のブランクを取り戻しつつあります。手術をしたことで今シーズンはよりコンディションの波を感じていたのが、徐々に少なくなって、常に動けるようになりました。楽しみながら過密日程を戦って、チャンピオンシップに出られるようにしていきたいです」 最後に原は、パトリックヘッドコーチと同じく、速さと創造性で高さの不利を上回る自分たちのスタイルに「手応えはあります」と自信を見せた。「大きい相手にディフェンス、リバウンドで勝たなくてもいいですけど、僅差にすることができればこちらの方が有利だと思っています」 当然だが、ムーニー、スミスの離脱は大きなマイナスだ。しかし、千葉Jには、個々のステップアップに加え、この苦境を乗り越えられるリーグ屈指の成熟した組織力がある。
鈴木栄一