春の間にエルニーニョ終息へ 夏にラニーニャ発生の可能性40パーセント 監視速報
気象庁は、今日11日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。それによりますと、今後、春の間にエルニーニョ現象が終息して平常の状態になる可能性が高くなっています(80%)。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性もありますが(40%)、平常の状態が続く可能性の方がより高くなっています(60%)。
2月の実況
気象庁は、今日11日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。 それによりますと、2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.8℃で、1月に比べて差が小さくなりました。 エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の12月の値は+2.2℃で、4月から9か月連続して+0.5℃以上となっています。 太平洋赤道域の海面水温は日付変更線付近から東部で平年より高くなりました。 太平洋赤道域の海洋表層の水温は全域で平年より低くなりました。 太平洋赤道域の日付変更線付近から東部の対流活動は平年より活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱くなりました。 大気はエルニーニョ現象時の特徴が明瞭ですが、海洋はエルニーニョ現象時の特徴が弱まりつつあります。 以上から、昨年の春からエルニーニョ現象が続いていますが、最盛期は過ぎつつあります。
今後の見通し
実況では、太平洋赤道域に海洋表層の冷水が見られます。 大気海洋結合モデルは、冷水の東進が続き、エルニーニョ監視海域の海面水温が次第に下降して春の間に基準値に近づくと予測しています。その後、太平洋赤道域の西部~中部で貿易風が強まるとともに、中部~東部の冷水がさらに強まり、夏の間はエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測しています。 一方、春を越えるエルニーニョ/ラニーニャ現象の予測精度は他の予報期間に比べて低くなっています。 以上から、今後、春の間にエルニーニョ現象が終息して平常の状態になる可能性が高くなっています(80%)。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性もありますが(40%)、平常の状態が続く可能性の方がより高くなっています(60%)。