ハリルジャパンが苦肉の27人代表選出の理由とは?
勝てば6大会連続6度目のワールドカップ出場が決まる、31日のオーストラリア代表とのアジア最終予選第9戦(埼玉スタジアム)に臨む日本代表メンバーが24日、日本サッカー協会から発表された。 招集されたのはJ1の得点ランク2位の14ゴールをあげている初代表のFW杉本健勇(セレッソ大阪)、約2年ぶりに復帰したMF柴崎岳(ヘタフェ)らを含む27人。ベンチ入りできる人数が23人に定められている公式戦では異例の大人数となる。 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は就任以来、ゴールキーパー3人を常時ベンチ入りさせてきた。今回も招集された3人、川島永嗣(FCメス)、東口順昭(ガンバ大阪)、中村航輔(柏レイソル)がそのまま名前を連ねるだろう。 つまり、オーストラリア戦では、4人のフィールドプレーヤーが最終的な登録メンバーから外れる。都内で行われた記者会見で、指揮官は理由をこう説明している。 「さまざまな困難な状況があり、いままでで一番リストを作るのが難しかった。いくつか心配な点がありリスクを冒したくないため、手元に呼んで何人かの選手の状態や可能性を確認したい」 オーストラリア戦が引き分け以下に終われば、ロシア大会切符の行方は9月5日の最終戦に委ねられる。現在2位のサウジアラビア代表のホームへ乗り込む日本としては、これまでにも苦戦を強いられてきたオーストラリアから是が非でも白星をもぎ取りたい。 その意味では、長丁場のアジア予選を主力として戦ってきた、大きな信頼感を寄せている選手たちで臨みたい。しかし、選手たちに降りかかる負の連鎖が指揮官を悩ませている。 たとえば、キャプテンのMF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)は、右ひざにメスを入れた影響で今年に入ってから行われた代表戦4試合をすべて欠場している。 新シーズンでは戦列に復帰し、ドイツカップ1回戦、20日のフライブルクとのブンデスリーガ開幕戦と2試合連続の先発フル出場を果たした。それでも、指揮官の不安は尽きない。 「コンディションもトップフォームに近づいてきているが、試合が多すぎると言えるかもしれない。筋肉系の問題が発生する可能性があるので、上手く休みをはさみながらコンディションを取り戻してほしい」 長谷部が万全ならば、山口蛍(セレッソ大阪)か成長著しい井手口陽介(ガンバ大阪)とダブルボランチを組むだろう。しかし、万が一の事態が発生した場合は、3月のUAE(アラブ首長国連邦)代表戦のように、中盤の構成を逆三角形型に変更する可能性もある。 そのためアンカーと呼ばれる底の位置に入る候補として、UAE戦でも同ポジションを務めた山口と、所属するFC東京でアンカーとしてプレーする高萩洋次郎を復帰させたと見ていい。