【イベントレポート】山崎貴は初代「ゴジラ」へのリスペクトを忘れない、ゴジラ・フェスで鈴木儀雄と語らう
「ゴジラ-1.0」の監督・山崎貴が、11月3日に東京・日比谷エリアで開催された「ゴジラ・フェス2024」の“居酒屋ゴジラ”、同フェスと第37回東京国際映画祭の提携による「ゴジラ 4Kデジタルリマスター版」ジャパンプレミアに登壇した。 【画像】山崎貴が監督・脚本・VFX「ゴジラ」新作映画製作へ 11月3日の「ゴジラの日」に開催されているゴジラ・フェスは、第1作目の公開から今年で70年を迎えた「ゴジラ」の生誕を祝う毎年恒例のイベント。昨年に続き“居酒屋ゴジラ”に参加した山崎は「『ゴジラ』新作を撮ることにしました!」とファンに直接報告し、会場を盛り上げる。第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」に次ぐ新作を生み出すことに「めっちゃハードルが高い! そのハードルに自分で臨むと思うと貧乏クジだったなと」とジョークを飛ばしつつ、期待を煽った。 イベントでは、「ゴジラ-1.0」のキャストである神木隆之介と浜辺美波からビデオレターで質問が寄せられた。神木が「現場見学にいらっしゃっていた庵野秀明監督とはどんな話をしていたのか?」と聞くと、山崎は「庵野さんはちょいちょい『今のカット、もっと長く……』と演出をし始めたので、『あんたの作品じゃない。自分のところでやって!』と。謝るけれど、また同じようなことを言ってくる。それが映画監督という性ですね」と振り返る。浜辺からは「渡米する際の飛行機などでは何を考えて何をされているのか?」と質問されると、山崎は「脚本を書こうと思うけれど、面倒くさいなあと嫌になる中で眠るとぐっすり。脚本を書かなければいけないのに……と思う背徳感の中で寝るのが最高です」と笑いを誘った。 また「ゴジラ 4Kデジタルリマスター版」のジャパンプレミアには、造型助手として初代ゴジラのスーツ制作を行い「ゴジラの逆襲」「ゴジラVSデストロイア」にも参加した鈴木儀雄をはじめ、樋口真嗣ら総勢42名のゴジラ関係者たちも登壇。特撮シーン撮影過程での苦労を聞かれた鈴木は「大変だったのは材料集め。そもそもプラスチック材料がない時代だったので、プラスチック工場やお店を回って探しました。プラスチックを使ったことがないので、専門会社に来てもらったりして何度も何度も試行錯誤しました」と回想する。 完成したゴジラ第1号は重くて動かなかったそう。鈴木が「スーツアクターの中島春雄さんが『こんなものを作りやがって。芝居ができないだろうが!』と怒った。しかもそれを偉い人には言えないので、私を捕まえて……」と述べると、山崎は「昔はね! 70年前の話ですからね!」とフォローを入れる。映画で観ることのできる初代ゴジラは、鈴木いわく「何度も改良を重ねて作り直したもの」とのこと。「現物の初代ゴジラの色はネズミ色。グレーです。もちろんすべてがネズミ色ではなく、銀、緑、茶色を使ってバランスを取った」と貴重な証言も飛び出した。 幼少期にテレビで初代「ゴジラ」を観たという山崎は「怖かった。モノクロでウルトラマンは助けに来ないし、街は壊すし、人はなすすべがないわけで」とゴジラの迫力に怯えたことを明かす。初代に対するリスペクトは「ゴジラ-1.0」に色濃く反映されており「その影響は大変なもので、かなりインスパイアされています。初代『ゴジラ』の好きなところは使わせてもらっています」と伝える。最後に山崎は「今はハリウッドでもゴジラが作られるようになり、和製ゴジラという言い方もある。しかし僕らが作るものは、初代『ゴジラ』の精神を大事にしなければいけないと思っています。もちろんいろいろなタイプのゴジラ映画があっていいと思うけれど、僕は初代『ゴジラ』が持つ気持ちを大事にしていきたいと思っています」と語った。 TM & (c)TOHO CO., LTD.