江戸期の武具やほこら 新収蔵品展、50点公開 桜川・真壁伝承館 茨城
茨城県桜川市が寄贈を受けた歴史資料を紹介する企画展「新収蔵品展3 桜川のおたから」が、真壁伝承館(同市真壁町真壁)の歴史資料館で開かれている。江戸時代から昭和までの約50点を展示し、ほとんどが初公開という。17日まで。 ひときわ目を引くのは、江戸時代後期のよろい「黒漆塗二枚仏胴(くろうるしぬりにまいほとけどう)」。計3体のうち一つは笠間藩主を務めた牧野家の家紋「柏(かしわ)」、残りは同家のもう一つの家紋「五間梯子(ごけんばしご)」が描かれている。牧野家が戦時に備え、藩内の名主級の領民に貸し与えたという。鉄板を貼り合わせ、漆で継ぎ目が見えないよう仕上げてある。仏像の胸の部分に似ているため「仏胴」の名が付いたとの説がある。 同じく江戸時代の資料で、五穀豊穣(ほうじょう)や子孫繁栄を祈る木製のほこら「大同講祠(だいどうこうし)」を紹介。内部の幣束立てに制作年が記載され、1757(宝暦7)年と分かった。 他にも、花火の火薬配合について記した書物や、江戸時代の和算問題集、大正・昭和初期の扇風機など、さまざまな資料を展示している。 市教委文化財課の越田真太郎係長(49)は「珍しい資料だけでなく、昭和の置き薬など、ひと昔前の日用品もある」とPRした。 開館時間は午前9時~午後4時半。月曜休館。入場無料。問い合わせは同館(電)0296(23)8521。
茨城新聞社