35年の歴史に幕 西武八尾店が営業終了・セレモニーなしも客から拍手と歓声
約35年の歴史に幕
35年の歴史に幕 西武八尾店が営業終了・セレモニーなしも客から拍手と歓声 撮影・編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪
セブン&アイ・ホールディングス傘下の「そごう・西武」が運営する百貨店で大阪府八尾市にある「西武八尾店」が28日夜、営業を終了し約35年の歴史に幕を閉じた。
セレモニーなし告知も客が自然と集まってきた
同店などによると、オープンは1981年5月。地元をはじめ多くの客に親しまれていたが、近年は売り上げの停滞が続いていたという。 同店では閉店に伴うセールが行われ、同日も多くの買い物客でにぎわいを見せる。また、閉店セレモニーは行わないと告知していたが、閉店時刻の午後8時に客が出ると同時に同店周辺の道路や歩道橋に多くの人が集まりだした。 近くに住む30代の男性は「いま会社から帰ってきて、電車から降りて走ってきました。ここにはけっこう思い出がある。屋上も昔は遊べたんですよね。最後は見届けようと思って」と話す。
拍手が沸き起こり「ありがとう」の声も
そして、最後の客が出てからシャッターを閉め始めた。同店では事前に「閉店セレモニーは行いません」と告知していたが、客はシャッターが降りるまで静かに見守り続ける。そしてシャッターが閉まった後、どこからともなく拍手が沸き起こり「ありがとう」といった声も聞かれた。
見守った人たちの声「水時計あった」「最近は利用しなかった」
母親とよく来た思い出があるという八尾市の主婦(41)は「水時計とかあったり、地下の食料品店の肉はお祝いの時とかは高い肉を親が買ってくれたのが思い出。さみしいですわ」と話し、カメラで店舗を撮り続けていた。 会社帰りに閉店を見守っていたという会社員の男性(35)は「小さい時からここがあって当たり前やったけど、最近は隣接する工場だった場所が大きな商業施設になったり、変わっていきましたよねこの辺も。寂しいとみんな言ってるけど、最近は利用していなかった人も多いので、これは仕方ないと思う」と話していた。
営業終了後に「ただ今営業中」の垂れ幕
閉店から約1時間後には、同店の壁に「ただ今営業中」の垂れ幕がかけられていた。これは西武八尾店は閉店したが、一部の店舗が営業を続けるためだという。