<逃げ上手の若君>五大院宗繁のゲスっぷりに戦慄 第一回に続く、見事な場面転換に「カタルシスのある良いアニオリ」と反響も
TVアニメ「逃げ上手の若君」(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第二回が7月13日に放送された。第二回では、鎌倉奪還を目指す主人公・北条時行の冒険に新たな仲間が参戦。見事な連携プレーにより、日本屈指の鬼畜武将・五大院宗繁を打ち負かした。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】圧倒的な光で時行を導く諏訪頼重(CV:中村悠一) ■「逃げ上手の若君」 本作は、「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」で知られる松井優征が週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の歴史スペクタル漫画を原作としたTVアニメ。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである主人公の北条時行が動乱の世を駆け抜ける姿を描く冒険譚だ。 アニメーション制作は「SPY×FAMILY」や「ぼっち・ざ・ろっく!」などを手掛けるCloverWorks、監督は「ワンダーエッグ・プライオリティ」で副監督を務めた山崎雄太、シリーズ構成は「その着せ替え人形は恋をする」の冨田頼子、キャラクターデザインは「劇場版ポケットモンスター ココ」で総作画監督を務めた西谷泰史が担当。奇才の製作陣が、美麗かつ迫力のある映像で歴史の一片を紡ぐ。 ■五大院宗繁のゲスっぷりに戦慄 約150年続いた鎌倉幕府は、足利高氏(CV:小西克幸)の突然の謀反で滅亡。唯一の生き残りである北条時行(CV:結川あさき)は信濃国の神官・諏訪頼重(CV:中村悠一)に逃げ上手の才能を見出され、彼のもとで鎌倉奪還の力を蓄えることになった。 まずは頼重の領地を目指すが、監視の目があるため一行はなかなか鎌倉から出られない。あたりでは、時行の見知った旗印ばかりが翻る。つい最近まで味方だったはずの武士たちは高氏に導かれ、いともたやすく幕府を裏切った。 これからどうすればいいのか。打ちひしがれる時行に対し、いまいち緊張感のない頼重。未来を見通すことができる頼重の目には英雄となった時行の姿が映っていると言うが、時行には信じがたかった。 そんな中、時行は耳を疑うような情報を入手する。異母兄・邦時(CV:寺崎裕香)が斬首されたというのだ。しかも、逃げていた邦時の所在を敵に明かしたのは実の伯父である五大院宗繁(CV:伊丸岡篤)だという。 親族ということもあり、邦時の護衛を任されていた宗繁。そのおかげで出世を果たしたにもかかわらず、わずか9歳で怯える邦時を褒賞目当てに敵へ差し出した。だが、期待通りのものが得られなかったため、今度は時行を捕らえようとしている。史実に日本屈指の鬼畜武将として名を残している通り、本作でも宗繁のゲスっぷりが際立った。 ■新たな仲間との連携プレーで敵を打つ! 腹違いではあれど仲が良かった兄の死に、信じていた大人の裏切り。受け入れがたい現実を前に混乱を極める時行を、圧倒的な光で導くのは頼重だ。頼重は「兄上様の敵討ちをもって貴方様の天下への第一歩といたしましょうぞ!」と時行の手を引き、新たな仲間の元へ連れていく。 第二回より登場となったのは、諏訪家に仕える一族の子供たち。血気盛んな少年・弧次郎(CV:日野まり)と、天真爛漫な少女・亜也子(CV:鈴代紗弓)だ。二人とも時行とは同い年ながら、武芸に秀でており、宗繁との戦闘に参加。しかしながら、意外にも宗繁は強く、時行を守りながらの戦闘に苦戦する。 そんな中、頼重は戦線から一歩引いて時行の様子を見るように助言した。時行のことをか弱く、自分たちが守ってあげるべき存在だと思っていた弧次郎と亜也子。だが、いま彼らの眼に映るのは、宗繁の素早い太刀筋をしっかりと見切って、軽やかな身のこなしで全て交わす時行の姿。また、どこか鬼ごっこを楽しんでいるようにも見えるその表情に二人の好奇心は掻き立てられる。 再び戦線に戻った彼らは時行を敵から守るのではなく、敵を差し出す感覚でサポートに努めた。そして「今だー!」という弧次郎の合図とともに、時行は上から宗繁に斬りかかる。時行の刀は宗繁の首を見事にはねた。 その瞬間、時行が思い出すのは鎌倉幕府滅亡よりも少し前。自分が英雄になるはずがないと言った時行に、邦時が「頑張れ!……ば、いける気がする」と励ましの言葉をかけてくれた時のことだ。どんな時も味方でいてくれた優しい邦時。そんな兄の敵討ちを果たし、時行は英雄としての道を本格的に歩み始めた。 強力な助っ人を得て、時行が一歩前進した第二回。視聴者からは「五大院宗繁の首を落としてからの回想…カタルシスのある良いアニオリでした」「邦時さまの声が優しくて涙出る」「弧次郎と亜也子強い!!」「仲間も増えたし、今後がより楽しみ」という声が上がっている。 ◆文/苫とり子