阪神7年目左腕・高橋遥人の球宴明け復帰が不可欠 夏場の先発陣の救世主に 岡田監督、貯金ゼロで「もう明日から開幕よ」と号令
【川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白】 蒸し暑くジメジメした季節がやってきましたが、阪神タイガースは先週末の西武戦(甲子園)に3連勝し、晴れて交流戦最下位を脱出。一度は使い果たした貯金も3に増え、うまい具合にセ・リーグ2位にも浮上しました。首位広島とは1ゲーム差で、今はこれくらいの〝距離感〟で十分。ただ、Bクラスには落ちないよう、今週のオリックス、ソフトバンクとの6連戦は、3勝3敗で乗り切ってリーグ戦再開にこぎつければ…と願っています。 【写真】岡田監督は「球拾いやろ、それ」 外野でノックを受ける佐藤輝 というのも、6月という季節は選手にとって開幕して最初に疲れが溜まる時期で体調管理も難しい。私も現役時代はとにかく飲んで食べて…ではなく(笑)、しっかり食べて寝ることを意識してました。体重が落ちて体力もなくなっては話にならない。まあ、今の阪神の選手は私と違ってマジメで、ドンペリを何本空けてどうとか、朝まで飲んだりとか、体に悪いことはしない。食欲がないならサプリなどの栄養補助食品で賢くやっていると思いますが、昨年も阪神は6月に8勝14敗と唯一、負け越しています。 優勝の行方を占う「勝負の8、9月」とよく言いますが、そのためにはこの6月が重要とみています。8月から勝負といっても、その前にチームがボロボロなら落ちていくだけで、逆に波に乗ってきた他のチームがいると追いかけるのは本当に大変。ここまでの阪神もチーム状態は快進撃した昨年とは違い、今後は勝つためにバントや進塁打など自分を犠牲にできる選手がどれだけ出るかが大事になってきます。 投手陣で注目は、まだ気は早いですが、トミー・ジョン手術を受け育成枠から支配下再登録を目指す7年目左腕の高橋遥人です。8日の中日との2軍戦では6度目の先発で最長5回を無四球、無失点で投げ切りました。これからのきつい夏場は先発陣も誰かが調子を落とします。遥人が球宴明けに1軍に戻れたら、相当大きいです。 それにしても、岡田監督が「(貯金が)ゼロになったからもう明日から開幕よ」と号令掛けて、選手を奮起させたのはさすがでした。私も売り上げがいい日も悪い日も、日々〝開幕〟の気持ちで本日も店に立っております。 (元阪神投手、スポーツバー店主・川尻哲郎)