四條畷市長選の電子投票、確定まで20分短縮…費用は増加し投票所の職員も1・5倍に
全国で8年ぶりに電子投票が導入された大阪府四條畷(しじょうなわて)市長選と市議補選(欠員1)は22日、投開票された。丁寧に作業を進めた結果、開票時間の大幅な短縮にはつながらなかったが、システムトラブルなどの混乱はなかった。 【図】なるほど!…電子投票の仕組み
市は今回、書き間違いなどによる無効票や、同姓同名の候補者同士で票を分け合う案分票をなくして有権者の意思を明確にするため、電子投票の導入を決定。開票作業の迅速化で職員の負担を軽減する狙いもあった。
市は、有権者が投票に使うタブレット端末を204台用意。投票所を訪れた有権者は本人確認の後、記載台に置かれたタブレット端末を使い、画面上に並ぶ候補者名をタッチペンでタップして投票した。二重投票を防ぐため、投票を終えると画面にはロックがかかり、職員がパスワードを入力して解除した。
投票した無職の女性(81)は視力が悪いといい、「投票用紙に候補者名を書くと、間違えていないかどうか不安。電子投票は画面に名前が大きく出るので簡単だった」と語った。
開票作業は市立市民総合体育館で、午後9時半から開始。投票用紙をより分けるための広いスペースが必要なくなったため、メインアリーナから多目的室に場所を変更し、約4分の1に縮小。作業にあたる職員は3分の1の27人に減った。
投票結果はUSBメモリーと補完用のSDカードに記録され、市職員と立会人らが鍵付きのジュラルミンケースに入れて開票所に運んだ。開票所では職員がUSBを4台の集計用パソコンに抜き差しして読み取る作業を行った。海外や市外からの不在者投票は従来通り投票用紙を数えて集計した。
タブレット端末と集計用の機器をネットワークにつなげば集計スピードは速くなるが、今回はネットワークにつなげない「スタンドアローン型」を採用。2003年の岐阜県可児市議選で、投票所の端末とネットワークでつながった集計用サーバーが過熱して投票できなくなり、後に最高裁で選挙無効が確定したためだ。