〝海外赴任ゴルファー〞から日経カップ代表選手へ・柴山俊博さん【会社員ゴルファー紹介】
出社前に集中して〝50球〞完結練習
練習は週に5回。40分から1時間かけて球を打つ。 「私の場合は朝型です。平日は朝5時に練習場へ行き、6時に帰宅。自宅での練習も行い、それから準備して出社します。会社の始業は9時からなので、十分間に合います」 朝5時に練習場に行くのは「打席料がかからないから」というが、その練習内容に工夫がある。1時間近く練習場に滞在しながら、打つのは50球だけだ。 「日経カップの試合当日、練習で打てるのが24球なのです。だから基本的に24球でベストショットが出るよう、ふだんから24球を集中して打つ。残りの26球は当たりが悪かったり、気になる球が出たクラブを再チェックするための、いわば予備球。50球も打つと集中力は落ちてきますし、ちょうど良いですよ」 かつては100球近く打つこともあったが、いまは50球の完結型だ。 気持ちはまさに〝常在戦場〞。出社後の仕事への余力も十分残しての合理的練習法なのである。
自分の役割をミスなくこなす
練習場での練習はショットを主体に、自宅ではパターマットを使って短い距離の練習をする。 「スコアを作るのにもっとも大事なのがアプローチだと考えているので、マットを使ってクラブヘッドの入り方やフェース面へのボールの乗り方をチェックします。もし失敗したら、原因を考えながらパター10分、アプローチを5分。夜はお酒を飲むので、自宅での練習は毎朝練習場から帰ってきてから。朝のうちに完結します」 そこまでやるのはほかでもない、選手としてチームに貢献するという明確な目標があるからであり、自分なりの〝算定〞も済ませてある。 「(日経カップは)出場4名中3名の合計スコアで順位が決まります。おそらく合計スコアが235前後ならシードを取れ、240で予選通過できる。つまり1人平均80で回ればいける。エースに頑張って70台を出してもらい、我々は80で回るよう集中するのみです」 過去に原料購買部へ在籍していたときは「日経カップ常連の商社マンと打ち解け、ゴルフが仕事の促進剤になりました」。ゴルフが仕事を助け、仕事がゴルフへの励みになる。これぞサラリーマンゴルフのかがみだ。