「個人的な話になるんですけど…」J1川崎・三浦颯太がACLE蔚山戦で秘めていた古巣・J2甲府への思いとは――「僕が違うチームで蔚山にちょっとやり返した」
9月18日、AFCチャンピオンズリーグエリートのリーグステージ第1戦に挑んだ川崎フロンターレが蔚山現代を撃破した。その試合で、特別な思いを抱いていたのが三浦颯太だ。 ■【動画】J1川崎・三浦颯太が「僕が違うチームで蔚山にちょっとやり返した」と明かしたACLE蔚山戦での「決勝ゴールでのおとりになる走り」!■ 今季から新しいフォーマットで開催されるACLE。その第1戦にJリーグ勢から3チームが挑んだものの、勝利したのは川崎フロンターレだけだった。そして、その決勝点に関わったのが三浦。 スコアレスで迎えた54分、マルシーニョが左サイドから中に切れ込んでシュートを叩き込んだが、その際、おとりとなったのがこの左サイドバックである。CBの佐々木旭が大外にいるマルシーニョにパスを出した際、三浦が中にポジションを取っており、スルーしたボールがそのマルシーニョに届くと、縦に走って相手選手一人を引っ張っていた。マルシーニョは、その空いたスペースを使っていたのだ。 三浦の働きもあって川崎フロンターレはアジアの舞台で白星発進することに成功。加えて、川崎としてはアウェイでの蔚山戦で初めて勝利を掴むこととなった。 試合後の三浦にその話を振ると、「そういうジンクスだったのはちょっと知らなかったですけど、敵地で勝てたのはでかいですし、それが初戦だったっていうこともでかいです」と手応えを明かす。そして、「個人的な話なんですけど……」と、切り出したのは、古巣であるJ2ヴァンフォーレ甲府への思いだった。
■「僕が違うチームで蔚山にちょっとやり返した」
三浦颯太は、今季から川崎のユニフォームを着てプレーしている。昨年所属していたのが甲府で、特別指定選手を経てプロ入りしたのはその年のこと。プロ1年目のシーズンに、甲府はACLに参戦していた。 J2のチームながら天皇杯を制して出場権を勝ち取っただけに、アジアでも快進撃を見せる。決勝トーナメント進出の快挙を成し遂げ、ラウンド16で蔚山現代と対戦した。 三浦はグループステージでは甲府の選手として出場していたが、ラウンド16のホーム&アウェイの2試合はJ1川崎に移籍後に開催されていたため、出場することは叶わなかった。一戦目はアウェイ開催で、0-3の完敗。国立競技場での第2戦目も1-2で敗れ、ラウンド16で敗退していた。 その第1戦の会場が蔚山文殊フットボール・スタジアムであることを三浦は覚えており、「甲府も負けていたので、前回の一回戦で。自分も昨年、甲府でACLに出て予選を突破しましたけど、トーナメントは移籍していて(ラウンド16は川崎で出場)。(今年のACLEの)1試合目がたまたま蔚山だったので、ちょっと頭の片隅に置いておくじゃないですけど、そういうのがあったので勝てて良かったです」と、神妙な面持ちで明かす。 そして、「僕が違うチームで蔚山にちょっとやり返したのかなと思います」と、この勝利を古巣へも捧げていた。
■三浦颯太が語るACLへの思い
その三浦にACLについて聞けば、「本当にこの雰囲気もすごいですし、試合展開もオープンになるので、僕は好きな大会。この大会にプロ2年目にして2年連続で出れているっていうのも幸せなことですし、本当に1試合1試合楽しんでやりたいです」と笑顔で話す。 三浦は今年1月1日にサッカー日本代表としてもデビューを果たした、期待の左サイドバック。今後、さらなる活躍が期待されている。今季はJ1を舞台に定位置を掴んで成長を遂げているが、ACLEでの経験はその成長を一層促すはず。 川崎へ、甲府へ、そして自信の成長へ――さまざまな思いを胸に秘めながら、2戦目の勝利を誓う。 (取材・文/中地拓也)
サッカー批評編集部
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