『シビル・ウォー』新星ケイリー・スピーニー、デビュー作『パシフィック・リム』続編に感謝「私の全ての始まり」
そんなガーランド監督が生み出す独自の世界観のファンであるケイリーは、「現代社会においてはそう遠くない未来にも感じますし、とてもパーソナルな世界観です。特に『シビル・ウォー』はアメリカ人として特にパーソナルな作品」とその魅力を語る。「彼が意図的に(西部勢力と政府軍)どちらかの視点で描いていないことも素晴らしいと思いました。観客に全てを委ねて、考えさせることを狙いとしているからなんです」
若手カメラマンを演じるにあたって、ケイリーはフィルムカメラを常に持ち歩き、フォトジャーナリズムを徹底研究している。「(主人公のモデルとなった伝説の写真家)リー・ミラーさんについても調べました。彼女の人生はジェシーに多大なる影響を与えています」
ケイリーは2018年、人気ロボットSF映画『パシフィック・リム』の続編『パシフィック・リム:アップライジング』のヒロイン、アマーラ・ナマーニ役に抜てきされた。人型巨大兵器“イェーガー”のパイロット候補生という役柄で、日本の新田真剣佑とも共演している。 「あの作品は私の全ての始まり。私の心の中にあり続けています」と振り返ったケイリーは、「私の映画の原点はSFでした。SFは私にとって特別なジャンルです。初日に(共演した)ジョン・ボイエガと会って、彼から何もかも学んだことを今でも思い出します。イェーガーを想像して演じる大変さも味わいました。とても濃密な日々で、私の人生において魔法のような時間でした」とデビュー作への感謝を述べる。
今年4月には、伝説のロック歌手エルヴィス・プレスリーの妻を演じた『プリシラ』、9月には主演作であるSF映画『エイリアン:ロムルス』が日本公開されるなど、2024年はケイリーにとって飛躍の年となった。
ハリウッドスターの仲間入りを果たしたケイリーだが、「私は18歳からこの仕事をしているので、あまりが実感なく、普段と変わらぬ気持ちです」と謙虚な姿勢。「異なるジャンルの作品を経験することができて、とても楽しいです。『エイリアン』は純粋なエンタメ大作であり、『シビル・ウォー』は観客にメッセージを投げかける作品です。これからもっとたくさんの人に出会い、正しい選択をして、この仕事を続けていきたいです」とさらなる飛躍を誓っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)