三宅弘城、『おむすび』で2度目の朝ドラ出演 『ふてほど』『サ道』の役柄との違いと共通点
三宅弘城、もう一つの代表作『サ道』での活躍
宮藤官九郎が脚本を務める『ふてほど』が三宅にとってのホームであるならば、もう一つのホームと言えるのが『サ道』だろう。すっかり年の瀬の風物詩となった『サ道』は、サウナを取り巻く環境と人々の心情、そして自分自身をナカタアツロウ(原田泰造)とともに見つめ直す作品。三宅が演じるのは、「偶然、偶然!」が口癖のサウナーで、営業マンの偶然さん。喋るのが好き、というところでは『おむすび』の立川と共通する部分はあるが、偶然さんには愛嬌がある。 筆者が好きなエピソードの一つが、偶然さんが10歳の愛娘と2人でサウナ旅へと出かける、『サ道2021』第10話。これまでナカタたちに見せてこなかった家庭での表情と三宅の芝居の細かなバリエーションが感じられる。これは作品全体に共通して言えることだが、サウナだけでなく、自分自身が好きなことに置き換えて観られるのが『サ道』の魅力である。『サ道 2024SP』の脚本を務めるのは、『おむすび』の根本ノンジ。『ふてほど』でも共演しているイケメン蒸し男を演じる磯村勇斗と三宅の絡みはまた新鮮に映るかもしれない。 余談だが、2021年にナカタたちのホームサウナである北欧に宿泊したとき、撮影終わりの原田泰造と三宅(敬称略)に遭遇したことがある。サウナ室に入り、すぐさま「(偶然さん……!)」と気づいたが我慢。まだコロナ禍ということもあった。するとサ室の扉が開き、先に出る原田が三宅に挨拶。その後、三宅が水風呂へと向かっていった。サ室には筆者ともう1人、客がおり、あちらも同じことを思っていたのだろう。目が合い「ヤバいですね……!」と声をかけられたので、筆者は一言「本当に偶然ですよね」と返したのだった。そのまま、ととのい椅子のある劇中でもお馴染みの露天のほうに向かうと、三宅が気持ちよさそうに寝ていて、本当にサウナが好きなのだろうなということを感じた出来事だった。
渡辺彰浩