都知事選争点「首都防災」帰宅困難者 約453万人…物資の備えは
■首都直下地震 “タワマンの避難者”は
首都直下地震が起きた際のタワーマンションの問題です。 東京都は、発災時、マンションなどの集合住宅では、倒壊などの危険がある場合を除き、自宅で生活することを基本として、1週間分の備蓄を推奨しています。 こちらが、必要な1週間分の備蓄量です。 夫婦2人でマンション住まいの場合で、これくらいのものが必要と言われています。 都内では、高層ビルやタワーマンションが多いです。 2010年度に2481棟だったのが、2020年度には3558棟になり、10年で約1000棟増加しています。 こうした建物のエレベーターでは、最大で2万2426台で閉じ込めの可能性があります。 特に、要介護認定者、妊産婦など階段移動が困難な人が、中高層階に取り残されるリスクがあります。 そして、タワーマンションが多く建っている地区の避難所が不足しており、タワーマンション住人の多くの人が避難所に殺到して、避難所での受入れが困難になる可能性があります。 タワーマンションなど高層ビルが多い、江東区豊洲の方によると、 「東日本大震災の時は、全てのエレベーターが停止。ベビーカーの子どもと母親が自宅に上がれず、1階ロビーに殺到。父親がベビーカーと子どもを担いで上階に運んだケースも」 「断水などでトイレが使えない場合は、1日に何回も階段を往復しなければならない可能性も。簡易トイレやポリ袋などの備蓄を進めているものの、汚物の処理ができなくなる懸念もある」ということです。
■首都直下地震 避難所の数・設備や物資は足りるのか
避難所の状況です。 2024年1月に起きた能登半島地震では、一次避難者数は4万人強、避難所は423カ所開設されました。 しかし、帰省者や観光客も被災し、自治体が運営する『指定避難所』に殺到したため、地域住民が自主的に運営する『自主避難所』への避難者が多くなりました。 『自主避難所』では、各拠点からの連絡がないと、行政が場所を把握しにくいため、支援物資が届きにくく、被災者自らが持ち寄った食料や物資でしのがなければなりません。 また、指定避難所でも、床にマットや毛布を敷く、“雑魚寝”が多く、隣人との区切りないためプライバシーが問題になりました。 一方、2024年4月に起きた台湾東部地震では、プライバシーに配慮したテントが用意され、女性や特別支援者専用の寝室もありました。 地震発生から4時間で、設備がほぼ整いました。 さらに、温水シャワー、無料マッサージ、無料WiFi、充電、電話、温かい食事も用意されました。 なぜ、このように迅速に対応できたのでしょうか。 行政が各ボランティア団体や協力団体に支援を要請する、官民の連携がスムーズでした。 行政は、どのボランティア団体がどんな支援を提供できるか把握していて、平時から、自治体とボランティア団体が避難訓練や研修を実施していました。