【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】デシベル 見目麗しい2人の苦悩
見どころは何といっても、見目麗しい俳優陣。 主演は、白がまぶしい海軍の軍服を長い手足と厚い胸板で完璧に着こなす王子様みたいなキム・レウォン。大都市の至るところに仕掛けられた爆弾から市民と家族を守るため、すすとほこりと汗にまみれて奔走する。 【写真】ゴジラ-1.0 ゴジラの絶望的な恐さ 一方、切れ長の憂いに満ちた流し目でハートを貫くイ・ジョンソクが演じるのは美しいテロリスト。彼が仕掛けた自家製時限爆弾は、周囲の騒音に反応して爆発するハイテク爆弾。優れた知能を、レウォンさまを苦しめるためだけに駆使する美青年の、冷たくて悲しい瞳に胸が切り裂かれる。 物語が進むにつれ、怒り、悲しみ、憎しみで、美貌がぐちゃぐちゃになる2人。これはもちろん映画のマジックだが、美しい人が苦しんで悩んで、もがくと、めちゃめちゃかっこいい。(桜坂劇場・下地久美子) ◇同劇場で上映中