小池都政が終わるとなくなる?「都民サービス」総ざらい、省エネ家電・私立高校学費・不妊治療…
来月に投票日を迎える東京都知事選。新都知事が誕生して小池都政が終われば、現行の東京都民向けサービス内容がガラッと変わるかもしれない。省エネ家電補助や、子育て支援、シニア向けサービスなど、まとめてチェックしておこう。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子) ● 公的な補助金は申請主義 もらいっぱぐれは避けたい 今週6月20日(木)に告示、来月7月7日(日)に投票日を迎える東京都知事選。現職の小池百合子氏はじめ、過去最多だった22人を超える候補者が入り乱れ、選挙戦はますますヒートアップしている。「東京大改革3.0」を掲げ三期目に意欲を燃やす小池氏だが、もし都知事が代われば、今年度まで続いてきた都政の転換もあり得る。 歴史をさかのぼれば、1995年に当選した青島幸男都知事が、公約通りに臨海副都心で開催予定だった世界都市博覧会を中止したのは象徴的な出来事だろう。もし新知事が誕生すれば、小池都政が進めてきた方針が今後も継続されるかは未知数だ。 となれば、現在行われている都民向けのサービスを確認しておく方がよさそうだ。特に公的な補助や助成金は、申請主義が原則のため、制度自体を知らなかったり、自ら手続きをしなかったりするともらえない。もらえるはずのお金が受け取れないということがないように、しっかりチェックしておきたい。
● 「ゼロエミ」補助は 今年度も継続中 国の光熱費補助も終了し、夏の電気代が気になる季節になった。東京都では地球温暖化対策として、家庭に省エネ家電の買い替えを促す「東京ゼロエミポイント事業」を今年度も継続している。 現在のエアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を、省エネ性能の高い家電およびLED照明器具に買い替えた都民に、「東京ゼロエミポイント」を付与するというもの。ゼロエミポイントは1ポイント=1円として、ポイント数に応じた商品券とLED割引券に交換できる。 2019年10月1日~2024年9月30日までの購入が対象(エアコンの一部、LED照明器具は2022年7月1日以降の購入が対象)で、付与されるポイント数は今年4月1日以降購入分からさらにアップ。エアコンでは省エネ性能とkW数に応じ1万5000~2万3000ポイント(製品発売日でも異なる)、冷蔵庫は容量に応じて1万4000~2万6000ポイント、LED照明器具は4000ポイントなどが付与される(ポイントはLED割引券1000円分と、残りを商品券に交換)。 とはいえ、付与ポイント数が大きい家電ほど大型だったり、販売価格そのものが高かったりするので、数字だけに惑わされず家電量販店で現物を見た方がいい。 なお、昨年度は東京都以外でも省エネ家電補助を出す自治体が多かったので、お住いの地域で調べてみるといいだろう。 同じく、断熱性能や省エネ機能が高い「東京ゼロエミ」住宅を建築する際の補助もある。今年9月30日までに設計を確認した場合は、戸建て住宅で最大210万円、10月1日以降は最大240万円(ただし太陽光発電設備等の原則設置が要件となる)に引き上げられる。 そのほか、戸建て住宅に対して、太陽光発電システム導入、太陽光発電パワーココンディショナ更新、蓄電池設置、高断熱窓・ドア等への改修、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電設備の設置などの省エネにつながる設備の導入費用や経費に対する助成がある。電気自動車や燃料電池自動車、電動バイク等の購入にも補助金を出す。 すいぶん大盤振る舞いの印象だが、東京都は2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減するという目標を設定しているので、省エネ関連には前のめりなのだ。都知事が誰になっても方針は変わらないのかは不明だが、エコ設備導入を考えている都民は申請方法などを確認しておこう。 それにしても、そこまで地球環境を憂い、CO2削減を訴えているのに、明治神宮外苑再開発に伴う樹木伐採に対しては声が小さい。今ある樹木を伐採するというなら、代わりに都がお台場あたりにたっぷり植林してはどうだろうと個人的に思う。