虎のソナタ いまの打線に85年メンバーいたらなぁ 30発以上4人…貧打知らずかも
タイガースにとってメモリアルデーである「4・17」は、2軍戦が行われる鳴尾浜球場から動き出した。 先発マウンドは高橋遥人。ビッシビシの投球をしている時代を知っている虎ソナにとって、背番号129は〝違和感〟でしかない。それでも、「29番」を再び背負うことを信じて立った実戦復活のマウンドを、ファンは待っていた。朝からの大行列がその証拠。 「球場側が用意した整理券はあっという間になくなったみたいです。もちろん、スタンドは満杯。担当ではない時代でしたが、高橋投手がすごい球を投げていたのはもちろん知っています。今は慎重に慎重に復活ロードを歩む計画みたいですが、一日も早く、甲子園の1軍戦で投げてもらいたいです」 取材に出向いたのはトラ番・須藤佳裕。担当であり、熱狂的虎党という〝もう一つの顔〟を持っているだけに、言葉の端々に熱量がこもる。 「緊張する登板だったと思いますが、すごく落ち着いていた印象です」 須藤の話を聞いていると、早く見たくなった。ただし、落ち着いているというより、ぼうようとしてつかみどころがないのが遥人だと思うが…。 入団当時の監督、鉄人・金本が「何を考えているんやろ」とよくボヤいているのを思い出した。そういえば、「29番」の先輩でもある井川慶も、似たような雰囲気を漂わせていた。 故障を乗り越え、はい上がろうとするサウスポーに一番似合うのは、やっぱり甲子園のマウンドだ。来るべき、優勝争いのクライマックスに間に合ってくれれば…。ドラマのシナリオをついつい思い描いてしまう。そう、みんなが待っている。 その甲子園にはタテジマ「29番」の大先輩でもあるサンケイスポーツ専属評論家・江本孟紀氏の姿も。 「今年の巨人は元気がいいから、日本一になって気分良くしている阪神も気を付けた方がいいよ」 忠告してくださった。いやいや、タイガースは今、全く気分よくない。阪神の近くで取材していると、「まだ慌てる時期じゃない」「心配いらない」という阪神OB諸氏の声が聞こえてくるが、東京方面の空気を知る方々の言葉の方が、現実に近い気がする。エモやんの言葉こそ、真実かも。 巨人担当・谷川直之も、昨年とは違って、明るい。