再び「1ドル=160円」に向かうのか?ここからのドル円相場をみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
介入警戒のなか当面円安は継続、米国9月利下げと日本10月利上げでも年末は153円程度
米国の雇用と物価について、明確に伸びの鈍化を確認するには、今後数ヵ月にわたって関連する経済指標の発表を待たなくてはならず、その間はドル高・円安の地合いに大きな変化はないとみています。ただ、160円台で介入と思しき動きがあったため、この水準に対する市場の警戒は強く、例えば米利上げ再開の思惑が浮上するなど、よほどの材料がない限り、160円を大きく超えてドル高・円安が進む可能性は低いと思われます。 弊社は年内の日米金融政策について、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月と12月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつ利下げを行い、日銀は10月に無担保コール翌日物金利の誘導水準を0.25%に引き上げると予想しています。これに伴いドル高・円安の動きは一服すると考えていますが、日銀の利上げは半年毎の緩やかなペースを想定しており、ドル円の年末着地水準は153円程度と、大幅なドル安・円高は見込んでいません。 (2024年5月28日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『再び「1ドル=160円」に向かうのか?ここからのドル円相場をみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
【関連記事】
- 再び「1ドル=160円」に向かうのか?ここからのドル円相場をみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 「1ドル160円」のなにが悪い?…メディアが巻き起こす“悪い円安論”は見当違い。むしろ「日本大復興」の契機といえるワケ【専門家が解説】
- 日経平均株価は今月末「38,500円付近」に注目 「上昇トレンド継続か、下落トレンドに転換か」の分岐点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 「大谷翔平選手がホームランを打つと、日経平均株価が上昇する」というスゴい現象【エコノミスト・宅森昭吉氏】
- 30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由