シルビア CSP311 第3回|見た目はきれいだったCSP311シルビア。しかし塗装の下に隠された痕跡がレストアを阻む|エンドレスが挑む
エンドレスによって執り行われた日産シルビアCSP311のレストアプロジェクト これまで、エンドレスによって復活した旧車は20台以上になる。最高のコンディションに仕上げる技術力、そして情熱は多くの人の知るところとなった。今回も初代シルビアと対峙し、数々の奇跡を見せてくれるに違いない。しかし、エンドレスにとってクルマを仕上げるだけが目的ではないのだ、そのクルマらしさを取り戻し、自由に街で走るようにするために、息を吹き込むのだ。 【画像18枚】ボディのレストアのために塗装が剥がされたシルビア。大量のパテが鈑金塗装を阻む 【エンドレスが挑む シルビア CSP311 第3回】 作業が着々と進んでいるレストア車両の初代シルビア。 初代シルビアは、フレームが外され、ボディ、内装、シート、エンジン、と分解。それぞれの専門工場へ預けられた。気になっていた標準色ではない、黒い内装は、下から白い表皮が出てきたという。 今回はボディを担当した、依田板金塗装工場を訪れた。ボディの下地が見え、一部はカットされている。細かいパーツなども取り外されて、まずはクルマの状態を確認しているという。場所によってはレストアを進めているが、大部分が白いボディのまま。 「クルマが来た時はきれいだと思いましたが、塗装を剥がしてみるとちょっと驚きました」と依田さん。昔のレストア技術ということもあるが、修正痕を隠すようにカバーされたパテが大量に盛られていた。表面の塗装も、以前の手法で施工され、粗が目立つ。 ドア下のボディにタガネを当て、ハンマーでたたくとボディ表面が剥がれ落ちた。厚みは1㎝以上もあり、パテの塊だという。ドアパネル下に板が溶接され、そのラインに合わせるようにパテが盛られていた。そんな場所がたくさんありそうだともいう。 できるだけ本来の形を出せるように板金で処理して、裏から手が入らない場所などは、ボディをカットしたり、最小限のパテで補修が行われる予定だ。しかし、ショーで発表されるまで3カ月もない。作業は急ピッチで進められることになるだろう。 一方、フレームはサビを落として、きれいに塗装された状態で、エンドレスの工場に入っている。基本的な作業は終わっているという。あとはパーツが、各所から戻ってくるのを待つだけだ。 レストア痕を検証! 50年以上前のクルマにはさまざまなレストアが施されてきた。そのひとつひとつが今後の作業に影響を及ぼすために、細かい検証が必要となる。 シルビア CSP311再生へのプロセス 再生へのプロセス 溶接がゆがんでいるなど、どうしても元の鉄板を利用できない場合は再生が必要になる。ここからが板金職人の腕の見せ所と言っていいだろう。 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年12月号 Vol.196 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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