輪島11台絡む事故 奥能登で異例、3人けが 凍結でスリップ、復旧業者多数巻き込む
●仕事始め、5時間大渋滞 「復興元年」の仕事始めを迎えた奥能登で異例の規模の多重事故が発生した。6日午前6時45分ごろ、輪島市熊野町の県道で車両11台が絡む事故が起き、現場周辺は約5時間にわたって大渋滞に。路面凍結によるスリップが引き金となり、後続車や対向車が相次いで衝突したとみられ、災害復旧業者の車両が事故、渋滞に多数巻き込まれた。幹線道路が少ないという半島特有の地理的条件がある被災地で、冬場の復旧作業の課題があらためて浮き彫りとなった。 【写真】多重事故により渋滞に巻き込まれた車両の列 事故後、3人が救急搬送されたが、いずれも意識はあるという。片側交互通行に規制され、6キロ以上の大渋滞となった。 現場は輪島市街地と穴水町中心部をつなぐ幹線道路で、最近は住民に加え、復旧業者の車両の通行が多い区間。輪島署や事故の目撃者によると、熊野トンネルの輪島市街地側の出口にある下り坂の緩いカーブで、最初に軽自動車がスリップして路肩に止まったところ、車両を避けようとした後続の乗用車や小型トラックが次々と衝突した。 現場近くの輪島市三井では6日午前の最低気温は氷点下2・8度を観測。現場付近は凍結していたとみられる。奥能登広域圏事務組合消防本部によると、小型トラックの30代男性1人と、ワゴン車の50代男性2人が市立輪島病院と公立穴水総合病院に搬送された。30代男性が入院し、50代男性2人は軽傷だった。 ●「暗くてカチカチ」 後続車両に追突された金沢市内の工事業者の男性(44)は「事故当時は暗くて道はカチカチに凍っていた」と話した。近くに住む男性(42)は「昔から事故が多い場所で、またかと思った。復旧工事で県外から来て凍結した路面の運転に慣れてない人も多いのではないか」と語った。 石川県警によると、県内では6日午前9時までの24時間でスリップ事故が18件起きた。