西宮神社のご神体、改修終えた本殿へ 63年ぶりに屋根ふき替え 遷座祭、境内で厳かに
商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市社家町)で63年ぶりとなる本殿と拝殿の屋根ふき替え工事が終わり、28日夜、仮殿に移していたご神体を本殿に戻す「本殿遷座祭」が行われた。 【写真】レゴで精巧に再現した西宮神社の福男神事 国宝だった本殿が戦災で焼失し、1961年に元の姿で再建された。3棟を連結した「三連春日造」の本殿は国内唯一という。国の文化審議会がこのほど、拝殿や手水舎などとともに国登録有形文化財にするよう文部科学相に答申した。 今回の改修では、今年1月に「えびす様」など4柱のご神体を仮殿に移した後、本殿と拝殿の屋根の銅板約2万3千枚のふき替えや木材洗い、壁の塗り直しなどを行った。 本殿遷座祭は午後7時に開始。宮司が祝詞を読み上げた後、境内の電灯を全て消し、たいまつやろうそくだけがともる「浄闇」の中、神職や氏子役員ら約100人が列をつくった。「御羽車」というみこしに載せられたご神体は、人目に触れないよう白い布で囲んで運ばれ、境内は厳かな雰囲気に包まれた。 29日午前10時から本殿で奉告祭があり、巫女が神楽を舞う。(吉田敦史)