福岡 金明輝氏の新監督就任経緯を説明「信じてともに歩むこと決断」 異例の生配信で金監督は謝罪
J1福岡は16日、金明輝新監督(43)の就任会見を行った。会見の様子はクラブ公式YouTubeチャンネルで急きょ生配信された。 【写真】手を合わせて来季へ一丸 会見に出席したJ1福岡の柳田強化部長、金明輝監督、川森会長 川森敬史代表取締役会長は「来シーズンの新監督として金明輝さんと正式に契約を締結いたしましたので、ここに改めてご報告させていただきます」と改めて新監督就任を報告。来シーズンクラブ30周年を迎えるにあたり、「クラブの基本理念を軸として、前監督が築いてくれたチームの一体感を持って新たなメンバーと次のステップへ進む時期が来ていると思っております」と語り、「私たちはJ1上位争いを行い、優勝を目指せるチームづくりに向かって来シーズンも全力で取り組んでまいります」と決意を示した。新体制発表会は例年新年に行っていることにも触れ、「今回の(監督)就任にあたり、一日でも早く監督選定の理由と今後目指すべきチームづくりなどをご説明したく、この会見を開催いたしました」と時期を前倒しし、生配信での会見に至った理由を述べた。 そして「過去の過ちは決して容認できるものではありません」とした上で「反省して再出発をしようとしている金明輝新監督を信じ、チームがさらに進化し、一体感を持って次のステップを目指し挑戦していくことについて、来シーズンともに歩むことを決断いたしました」と語った。 また、新監督の選定については柳田伸明強化部長が説明。「前監督に5年間で好守にアグレッシブなスタイルを築いていただいたと思っております。そのスタイルを継続し、さらに進化させる力がある」「攻撃のオートマチズムを構築できる」「選手の力を最大限に引き出すことができる」と3つのポイントを評価。J1上位、新たなタイトル獲得に向けて、新指揮官を招いたとした。 金明輝新監督は黒のスーツで会見に登壇。監督あいさつでは「僕の就任に際しまして、少し騒がしてしまったことに関して申し訳なく思っております」と謝罪。「クラブ創設、来季で30周年の節目の年に、伝統と実績のあるアビスパ福岡の監督のオファー、就任をさせていただくことに本当にうれしく思うと同時に、責任、重責、さまざまなものを感じております」と心境を述べた。そして、「さまざまな意見を僕自身見聞きしながら、真摯に受け止め、チームの一体感、選手、クラブ、スタッフとの一体感を大事にしながら、選手、スタッフをリスペクトしながら、より強いチーム、長谷部前監督が築き上げたチームによりよいものを上乗せをして、チームを構築してJ1上位で戦っていけるよう、まい進、精進していきたいと思います」と意気込みを語った。 当初は生配信の予定はなかったが、クラブは15日に「当初はメディア向け記者会見のためアーカイブ配信のみを予定しておりましたが、リアルタイムでお伝えする場を設けるべきと判断いたしました」と説明した。 金氏を巡っては鳥栖の監督を務めていた2021年12月に退任後、指導時に選手やスタッフへの行き過ぎたパワーハラスメント行為があったと認定された。これを受け、指導者ライセンスがS級からA級に降格。その後、社会奉仕活動への参加などを経て22年から町田HCに就任していた。 そんな中、11月上旬に一部で福岡の新監督に金氏就任が決定的と報じられると、福岡のサポーター団体「ウルトラオブリ」がX(旧ツイッター)に「後任監督人事の報道について」と題した文書を掲載し抗議。しかし説明のないままクラブが今月13日に金氏の新監督就任を“強行発表”したため、サポーターなどから金氏就任を疑問視する声や、説明を求める声が上がっていた。