ヨルシカ、あいみょん、Ado……夏のドラマを彩った女性ボーカル主題歌
Superfly、milet……不穏な空気纏ったドラマ主題歌も
■Superfly「Charade」 作詞曲は越智志帆、編曲は宮田'レフティ'リョウが担当。『マル秘の密子さん』(日本テレビ系)の主題歌で、タイトルの「Charade」は“見せかけ”や“偽装”といった意味。ドラマの主人公・本宮密子の多面性を表現するイメージで制作が進められたのだという。 不穏なメロディラインでゆったりと始まると、リズミカルな曲調に変わるBメロでは、途中から拍子も変化。そこから、ストリングスやギターが入ってぐっと音の厚みの増したサビへと向かっていく。越智のボーカルも妖しさを秘め、〈化けの皮を剥いで 残りの人生/死ぬまで愛し合おう〉というサビの歌詞もゾクっとする響きがある。どう展開され、どこに着地するのかわからない、この曲自体も一遍の物語のようだ。 ■milet「We All Lie」 高級住宅街に住む家族たちの奮闘を描き、大ヒットした韓国ドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』のリメイク版『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)。テーマソングは、原作ドラマで使用された하진(Ha Jin)の「We All Lie」を引き継ぎ、今作ではmiletが歌唱している。 全体を通して切なげに、〈Is this really true?〉(これは本当なの?)と迫るように歌われる原曲の雰囲気はそのままに、miletの深みのある歌声がこの楽曲が持つミステリアスさを高めているように思う。流ちょうな英語の発音も際立ち、息遣いや美しいファルセット、ラストサビのフェイクなど、細かな部分まで研ぎ澄まされたボーカルに、あらためてmiletの歌唱力の高さが感じられる。
かなざわまゆ