伝説のセクシー女優が伝授する、上司が新入社員にしちゃ絶対ダメなこと。「それは立派なセクハラです!」
小室 そうです。酔っ払ってボディタッチをする、肩に手を回す、顔と顔の距離が近くなる......相手の同意がなければ、全部アウトですね。 ――でも、「ちょっと触るよ、いい?」と言う人はいませんよね。 小室 それが日本の文化ですから。 ――昔は「いいじゃないか、減るもんじゃないし」と言う人もいました。 小室 絶対に、そんなことはありません。やられた人は自尊心が損なわれます。目に見えないものが失われて、トラウマになるんですよ。「減るもんじゃないし」というのは、被害にあった女性に対して女の人が言う言葉でもあります。女の敵は女だという......。 ――40代以上の男性から「何がセクハラなのかわからない」という声が聞こえてきます。NG行為が多いとコミュニケーションさえ取れないと。 小室 何がセクハラで、何がセクハラじゃないか。その境界線について議論をするのは時間のムダだと思っています。「その人が嫌だと思うこと」をする、強要するのがハラスメントです。今は、その「嫌」の事例をたくさん出しているところですね。 ――ルールブックのようなものがあればいいのですが。 小室 はい。でも、いわゆる公の組織は、人の心に関することに対して何かを定めることがお得意ではありません。現在は、「一般的に不快と感じることはやめましょう!」ということを広めているフェイズですね。 ――明確なルールがないからこそ、難しい。40代、50代の男性が女性に「髪の毛、切った?」と言うのもセクハラですか。 小室 そう感じる女性が多いかもしれません。ただ、そこは受け手の感情なので、絶対にNGとも言い難い。発言した人のことを女性が好ましく思っていれば「気づいてくれてうれしい」になりますが、どうでもいいおっさんには言われたくない。 ――「きれいなネイルしてるね」というのは? 小室 相手によっては「げっ、気持ち悪い。このおやじ、私の指、見てる......」となります(笑)。そうなれば、セクハラですね。 ――大事なのは、その人に自分がどう思われているかということですか。 小室 その通りです。自分はどのポジションにいるかをしっかりと認知しなければいけない。 ――なるほど。まさに、ケース・バイ・ケースですね。「俺にはたいした役職がないから大丈夫」だとは言えない?