他球団は「東海大を敵に回せない」“巨人縛り”の菅野智之を日ハム「強行指名」のウラ話…オリオールズ移籍で思い出す“2011ドラフト狂騒曲”
日ハムは「1位を捨てる覚悟で」菅野指名。そのウラには…?
「聞いたこともないし、聞いたって本当のこと教えてくれるわけもないから、私の想像でしかないけど……」 そう前置きして、 「あのあたりからじゃないかな、日ハムさんが『1位はその年のいちばんいい選手』っていうのを標榜し始めたの。その精神でいくなら、あの年は菅野で正解。ただ、日ハムさんだって菅野は難しいってわかっていたはずだし、多分、1位枠を捨てるぐらいの覚悟でチャレンジしたと思う。 空振り覚悟で『巨人の思うようにはさせない』という強硬指名。ウチはそこまで出来なかったけど、スカウトとして個人的には『日ハム立派! 』って、拍手を送っていました。その流れで翌年は大谷翔平(花巻東)を単独1位でいくわけですからね」 「あ、それから」と、何か思い出してくださったようだ。 「大谷1位の年が栗山(英樹)監督の1年目で、菅野1位がその前年ということは、栗山監督就任の直前だから、もう栗山さんの意向が反映されてたんじゃないかな。こういう大きな決断って、スカウトレベルだけじゃなかなか出来ないものですよ。誰か、発言力のある人の『いきましょう! 』っていうのがないと、なかなかね」 ドラフトからおよそ1カ月後、ドラフト浪人の決心をして日本ハムに断りを入れた菅野智之投手。 翌年、女房役だった伏見捕手の取材にうかがった東海大グラウンド。 外野のフェンス沿いに、ひとり黙々とランニングを続ける菅野投手の姿があった。 「その節は、ありがとうございました。はい、元気にやっています!」 わざわざ挨拶に来てくれた菅野投手の笑顔が、去年よりおだやかになったように見えて、来年から大丈夫かな……といらぬ心配までしてしまったものだ。 「あいつ、今でもこの中(現役選手たち)でいちばん練習していますよ。量もそうだけど、自分の身になる練習を自分で考えてやっています。辛い立場にあるのにね。他の選手も見習ってほしいです。しかも、選手たちの練習の邪魔にならないように。そういう気遣いもできる男です。本当に頭が下がります」 首都大学野球リーグ7連覇、歴戦の横井人輝監督(当時)の菅野投手を見つめる目が潤んでいるようにも見えた。
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