ルクレール、テストでは”真の姿”を隠したレッドブルへの警戒緩めず「彼らはまともにレースシミュレーションもしていない」
フェラーリのシャルル・ルクレールは、バーレーンで行なわれたプレシーズンテストでは、昨年王者のレッドブルがあまり手の内を見せなかったため、その真の実力は分からないと考えているようだ。 レッドブルは3日間のプレシーズンテストで印象的なペースを見せたが、他の多くのチームとは異なり、レースシミュレーションを行なうのではなく、短いスティントの走行に多くの時間を費やした。 しかしテスト2日目には、セルジオ・ペレスが3スティントで計58周を走行。これは、57周で行なわれる開幕戦バーレーンGPに向けたレッドブルのレースシミュレーションだと考えられる。だが3日間の各チームの動きを深く分析したフェラーリは、レッドブルが手の内を見せず、新車RB20の実力を示す手がかりを与えないことを選択したと考えているようだ。 フェラーリはテスト2日目にカルロス・サインツJr.がレースシミュレーションを行ない良い手応えを掴んでいるが、ルクレールは慎重な姿勢を崩していない。 フェラーリのテストでの調子が、レッドブルに対抗するためのヒントになったか尋ねると、ルクレールはmotorsport.comに次のように答えた。 「レッドブルはテスト中に完全なレースシミュレーションを行なわなかった数少ないチームのひとつだ。だから、彼らの位置を知るのはとても難しい」 「僕たちは1回やった。僕たちは明らかに自分たちの立ち位置を知っているし、(他の)チームのいくつかはレースランを行なったから、彼らの立ち位置はなんとなくわかる。でも、レッドブルはそうではない」 「今のところ、(レッドブルに対する)自分たちの位置を理解することはできない。でも過去に僕らが得意としてきたコースだし、優勝を狙えることを願っている。チャンスがあれば、それをつかむために全力を尽くすよ」 ルクレールは少なくとも、1年前よりもずっと希望が持てるシーズンを送っていることに勇気づけられていると語った。 「普段の僕は笑顔を絶やさない人間だけど、昨年はとても、とても、とても難しいテストだった。僕のF1キャリアの中でも最悪のテストだった」 「今年は僕たちの予想に近い。しかし、ドライバビリティと競争力を混同してはいけない。今のところ、クルマはより運転しやすくなっている。しかし、競争力についてはまだ分からない」 「もし週末が終わったときに5位か6位で、それが僕らにできる最大限の結果なら、おそらく僕の顔にはもう笑顔はないだろう。でも、そうならないことを願っている」 ルクレールは、フェラーリが2024年マシンSF-24を改善するために何に集中すべきかをすでに把握しているため、シーズン序盤の好調をさらに発展させることができる可能性も今年ははるかに大きいと考えている。 「フェラーリはSF-24を改善するために何に集中すべきかをすでに把握している」 「今後に向けてもポジティブに思える。ここからスタートすることができるからね」 「ファクトリーではすでに先週から、今後数ヵ月に向けて改善すべきポイントに集中している。それが今後の開発に期待できる理由だ」 「スタート地点がどこにあるのかを見極めなければならない。今のところ、レッドブルと比較して自分たちがどの位置にいるのかを理解するのは難しい」 ルクレールは、フェラーリが特に改善しなければならないのは低速コーナーでのパフォーマンスだと語った。 「現時点ではかなりアンダーステアが強く、クルマを旋回させるのに苦労している。オンボード映像を見ると、これはパドック中で同じ傾向だと思う。みんなそれに苦しんでいるようだ」 「どのチームが低速でのアンダーステアに最も制限されずに走れるかだ。今のところ、僕たちはそれについて少し取り組んでいるところだ」
Jonathan Noble