三菱UFJ銀「貸金庫窃盗」の衝撃が芸能界にも波及…人気夫婦も、お笑いの大御所も意外なヘビーユーザー
「お客さまや関係者の皆さまに心よりおわびする」 三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(59)は16日の記者会見で、十数億円相当の顧客資産を元行員が貸金庫から窃盗した件にこう謝罪した。 【リスト】“井川遥の店”も実在「半沢直樹」に登場する飲食店 2020年4月から24年10月の4年半もの間、貸金庫業務の管理責任者だった40代女性の元行員は東京都内の練馬、玉川の2支店で、保管されているスペアキーを不正利用。約60人の顧客の資産を盗み出し、盗んだ資金は投資などに流用していたと供述しているという。被害内容が判明している顧客には補償を進めるなど順次対応している。 この元行員がいまだ逮捕も書類送検もされず、氏名も公表されていないことを訝しむ声があがっているが、被害者の数は約60人、金額も莫大なため、調査や資料集めなどの作業に労力を要し、立件し令状請求するのにある程度時間がかかるものと見られている。 貸金庫窃盗による被害は過去にも指摘されており、被害はさらに拡大する可能性も否定できない。この衝撃は芸能界にも及んでいるという。メガバンクの都心エリアの支店に勤務する40代の銀行員はこう話す。 「貸金庫を利用している多くは経営者や地主ですが、高齢層だけでなく30代、40代の富裕層もいます。中には、億以上の資産を有する芸能人などの有名人も少なくありません。うちで有名なのが音楽関係のある芸能人夫婦で、奥さんがたびたび貸金庫に両手で抱えるほどの現金を出し入れしているのは行内でよく知られています。すでに一時代を築いた方で、さわやかでクリエイティブなイメージを持っていたので、個人的にはそのことを知ったときはギャップの大きさに驚いたものです」 ■闇バイト強盗で需要増加中だった貸金庫 さらに、誰もが知っているお笑いの大御所のほかに、有名野球選手などが利用しているケースがあったという。 「実際に何を預けているかはこちらでは把握していないことになっていますが、大口の顧客の場合、何を出し入れしているかは支店長、副支店長クラスの幹部であればある程度把握しているものです。その多くは土地の権利書や宝石、時計類で、強盗や火災など自宅に保管していたときに万が一のことがあったときのために安心できる避難先として預けているケースが多い。現金などは税務署に捕捉されているものの、少しずつ預けて入れることで裏金化しているケースも少なくありません。貸金庫業務は昨今増えている闇バイト強盗で需要が増加傾向だっただけに、今回の一件による打撃は計り知れません」(前出の銀行員) メガバンクをはじめ、その多くが富裕層ビジネスを強化している最中の出来事で、貸金庫以外の事業にも疑惑の目が向けられ、金融機関の信用を失墜させる事態となった。