逆風吹き荒れるなか好調だった「24時間テレビ」 もう一人のMVPは? 山田美保子氏コラム
【山田美保子のミホコは見ていた!】 8月31日~9月1日に放送された「24時間テレビ47」(日本テレビ系)が視聴率、募金額共に好調だったことが局内外で話題になっている。 【写真】濡れながら果たした涙の完走 やす子 感動のゴール 2023年11月、系列の日本海テレビジョン放送が「24時間テレビ」の寄付金などを約10年間にわたり着服していたとして、元経営戦略局長の懲戒解雇処分を発表して以来、番組の存続さえ危ぶまれていた今回。加えて台風10号が各地に甚大な被害を及ぼす中、やす子によるチャリティーマラソンを中止すべきだという声も少なくなかった。 逆風が吹き荒れるなか、番組の継続を選択した日テレは、サブタイトルを「愛は地球を救うのか?」と変え、初心に返り、出演者やスタッフは例年以上に一丸となった。さらに、QRコードを使用した募金方法や、その行き先や目的が明確だったこと。いま誰もが応援したくなるやす子をランナーに選んだことなどが成功理由だろう。 MVPはもちろん、やす子だと思うが、もう一人、水卜麻美アナを挙げたい。6月、自身がMCを務める「ZIP!」で寄付金着服について謝罪した彼女。「24時間テレビ」の“顔”として局を代表し、頭を下げたのである。 当時は、彼女を矢面に立たせた日テレにも少なからず批判の声があったものだが、誰よりも愛社精神に溢れ、責任感の強い彼女による謝罪は多くの人に伝わったようだ。 もともと、スタッフや共演者をリスペクトし、目配りも気配りも完璧。「理想の上司ランキング」(明治安田生命調べ)で首位記録8連覇を誇ることでもわかるように、あれだけ忙しいのに後輩の相談にのったり、「ミト会」なる食事会を仕切ったりするリーダーシップに溢れる人でもある。 アナウンサーという枠ギリギリのところで自分をさらけ出し、視聴者の声にも誠心誠意、向き合ってきたミトちゃん。彼女の想いとスキルは、今回の「24時間~」でも随所に発揮されたものだ。 在京局の女性アナウンサーの中でももっとも生放送に強い人で、何が起きても瞬時に対応。情報番組もバラエティーも多数経験してきただけあって、フロアディレクターのような役割も担えるのがミトちゃんだ。 番組終了後の「行列のできる相談所」にも余力十分という顔で出演し、翌朝の「ZIP!」も休まなかった水卜麻美アナ。もの凄いアナウンサーだ。