「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME」リリース記念! PMC Vol.32よりKing Gnu 勢喜遊(Dr)のインタビューを限定公開!
――そういったバンドのための選択は、アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』のインタビューでもおっしゃっていましたが、アルバム制作においてもやってきたのではないですか。 勢喜 そうですね。それも積み重ねで。アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』自体は、「一途」とかもそうですけど、バンドがライブで感じた経験も活かして完成したアルバムになっていて。ツアーでは、またアルバムを制作して感じたことをライブにフィードバックしているみたいな、そういうハイブリッドな感じになっているなって思うんですよ。今回のツアーのために、もちろん、ライブのためのアレンジもしていて、大変は大変だったんですけど、そういうのも普通に楽しんでやれているんで。全然大丈夫でしたね。大変だったのは、ドームツアーのオープニング映像の音源くらいかな。スケジュール的に大変だったという意味で。 ――ああ! 1曲目の「SPECIALZ」につながるオープニング映像の音ですね(King GnuのオフィシャルYouTubeでもこのオープニングを含む「SPECIALZ」のライブ映像を公開中)。あの音源は勢喜さんが作ったんですね。 勢喜 ドームツアーがはじまる数日前、最終リハの日だったかな? オープニングの演出がそこで決まったんですけど、OSRINの作った映像にはめる音がいるって急に頼まれて。俺しか物理的に手を動かせる人間がいなかったから頼まれたようなものなんだけど……最初は、「マジで?!」ってなったものの、取りかかってみたら、もうその日の夜、大体の骨組みができたんで、なんか本当……そういうことにも対応できるくらい、少しステージアップしたんだなって思いました。 ――なるほど。経験を積み重ねて、地力もついて、自然とやれることが多くなっているんですね。 勢喜 確かに。以前のように、ドラムパターンをめちゃくちゃ考えるとか、そういうのはあんまりなくなって。「FUJI ROCK FESTIVAL'21」に出演した(2021年8月21日のヘッドライナーを務めた)ときのドラムソロとか、結構、ガチガチに考えて考えて考えまくってみたいな、それで、「失敗するかもわからないけど、やるんだ!」みたいな……そうやって自分にプレッシャーをかけるみたいなところもあったんですけど、もう、そういう風にならないようにしたというか。今回すごく自然体でやってたと思う。 ――King Gnuはライブを観るたびにバンドが進化しているように思うのですが、勢喜さんの場合、そういう変化があったと。 勢喜 こう思ったんです。自分のソロパートにプレッシャーを感じて、抱え込むみたいになってくると、あまりバンドにとってもよくないというか。実際、そういう状態で考えたドラムソロとか、「これ、急にバンドじゃないじゃん」みたいになるのかなって。今回は、特に、バンドのことを強く意識できたから。 ――勢喜さん自身は、King Gnuという軸で、自然に正解が見えるようになっているんですね。 勢喜 そうですね。「これだったら間違いないだろう」っていう強固なものを選んでやれた。ステージ上では、このツアーのライブアレンジとして決まったことをやるんですけど、結構、よかったんじゃないかなと。そう思えるいい選択をしたなって思います。 ――最後にリリースからしばらく経ちますが。アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』という作品について、今思うことってありますか。 勢喜 そうですね。もうね、自分の中では、すでに終わったことという感覚もあるんですけど。「ドームとアジアツアーを通して完成した」という感じかな。アルバムとライブの両方で、『THE GREATEST UNKNOWN』という作品を余すことなく表現できたのかなと思います。それは、僕がドラムで、お客さんから一番遠くにいるとはいえ、あのファンの歓声だなんだ、熱量だなんだって、そういうのがあってのライブだったと強く思っています。だから、「みんな一緒にライブを作ってくれてありがとう」って感じですね。うん。 ――今回の国内最大級のツアーとかアジアツアーの成功って、King Gnuにとってすごく未来につながるものだと思うんですけど。今後どうなっていきたいとかって、自分の中に出てきているものはありますか。 勢喜 あります! ありますよ! King Gnuって自分にとってめちゃくちゃ居心地のいい場所なんですよ。それって、それだけっちゃそれだけなんですけど、自分にとってはとても大きくて。居心地がいいからやれてるみたいなところがあって。ただ、一方で、自立心じゃないけど、今回、自分自身の足で立って、いろんなとこに出て経験してみることに対しても、すごく心地よさを感じることができて、そういう生き方をしてみることも大事だなと思いました。 ――異国の地で気づくことも多いですから、いいタイミングだったんですかね。 勢喜 やっぱりね、King Gnuに甘えている部分みたいなものもあるっちゃあるんですよ。やっぱり「King Gnuです」って言ってるほうが楽だし。でも、そうじゃない部分が芽生えたツアーだったんじゃないかなと思います。 ――なるほど。じゃあ、King Gnuとしては、今、どんなタームだと思っていますか。 勢喜 ドームツアーとアジアツアーが終わって、それぞれの個の時間を過ごすタームに入ると思うんですけど。その期間に、いろんな経験をして、次のKing Gnuに向けて、それぞれが成長して帰ってきて、また、集まれればいいなと思っています。 取材・文:PMC編集部 <リリース情報> ■『King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME』 2024年9月25日(水) リリース 【Disc1 / Blu-ray】 ・SPECIALZ ・一途 ・千両役者 ・STARDOM ・MIRROR ・CHAMELEON ・DARE?? ・Vivid Red ・白日 ・硝子窓 ・泡 ・2 Μ Ο Я Ο ・Vinyl ・W●RKAHOLIC ・W●RK ・):阿修羅:( ・δ ・逆夢 ・IKAROS ・Slumberland ・Sorrows ・Flash!!! ・BOY ・SUNNY SIDE UP ・雨燦々 ・仝 ・三文小説 ・ЯOЯЯIM ・Teenager Forever ・飛行艇 ・DOCUMENTARY MOVIE 【Disc2 / CD】 ・マスカラ ■『THE GREATEST UNKNOWN』アナログ盤 2024年11月27日(水) リリース 【収録曲】 ■Disc 1 1. MIRROR -メルセデス・ベンツ 新型EクラスCMソング- 2. CHAMELEON -フジテレビ月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』主題歌- 3. DARE?? 4. SPECIALZ -TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」オープニングテーマ- 5. 一途(ALBUM ver.) -『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌- 6. δ 7. 逆夢 -『劇場版 呪術廻戦 0』エンディングテーマ- 8. IKAROS 9. W●RKAHOLIC 10. ):阿修羅:( 11. 千両役者(ALBUM ver.) -NTTドコモ 5G「希望を加速しよう2nd篇」CMソング- ■Disc 2 12. 硝子窓 -映画『ミステリと言う勿れ』主題歌- 13. 泡(ALBUM ver.) -映画『太陽は動かない』主題歌- 14. 2 Μ Ο Я Ο- MARO CMソング- 15. STARDOM(ALBUM ver.) -2022 NHKサッカーテーマ- 16. SUNNY SIDE UP 17. 雨燦々 -TBS系日曜劇場『オールドルーキー』主題歌- 18. BOY -TVアニメ『王様ランキング』第1クール オープニング・テーマ- 19. 仝 20. 三文小説(ALBUM ver.) -日本テレビ系 土曜ドラマ『35歳の少女』主題歌- 21. ЯOЯЯIM