「雨の日に長靴がなぜダメ?」50年前の規則に縛られた議員の服装、自由化したら…意外な評価に
12月18日に開かれた本会議。議長として進行を担った竹内正明議員は、黒いTシャツにジャケット姿だった。委員会報告のため壇上にあがる議員も、タートルネックやカーディガンなどカジュアルな服装。ウインドブレーカー姿やロングブーツを履く女性議員もいて、おしゃれを重視する人、着心地を重視する人、それぞれだ。奇抜な格好の人は見当たらず、風景は一般企業と変わらない。もちろん、スーツにネクタイ姿の議員もいた。 議会改革特別委員会で委員長を務める三浦芳一議員は、それまではあまり服装を気にしていなかった。ただ、自由に服を選びはじめると、「『ダンディ』と褒められるようになった」。その表情はちょっとうれしそうだ。 他の議員からも、服装に個性が見えるようになったと好意的な声が上がる。仕事用の服がスーツばかりで、新しく買い足した人もいた。男性議員たちは「ネクタイをずっとするのは苦しいよね」と口をそろえる。 ▽品位を重んじる議会、苦情は…
会議規則には「議員は議会の品位を重んじなければならない」という項目がある。カジュアルな服装では「議員と思われないのではないか」という意見もあった。ただ、自由化したことへの目立った苦情はないという。 自由化の取り組みは、地方自治体の優れた政策などを表彰する「マニフェスト大賞」の関東エリア選抜に選ばれた。議会が開いた意見交換会に参加した中学生からは好評だ。 「議会は堅苦しい印象だったが、フレンドリーに感じられた」 服装についての会議規則は、多くの地方議会にある。だが、自由化したのは全国の議会で戸田市が初めて。竹内議員は「議員それぞれが変革していると感じる。新しい政策につながっていけば」と力を込めた。