『室井慎次』で提供する“考察材料” 本広監督が貫いたファン目線「ハッキリすると面白くない」
本広監督にとって、「踊る」は「めちゃくちゃ大変な作品」なのだという。「とにかく人がたくさん出るので、それをどう捌くか。特に『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』あたりになると、もうメインの方たちがみなさん連ドラの主役クラスになってらっしゃった。それぞれのキャラクターにぜんぶドラマがほしいから、めちゃくちゃ考えました。そこに亀山さんはまた、小栗旬(鳥飼誠一役)とか人気者を入れてくるから、よけいに(笑)。青島くんと室井さんを演出していると、すみっこで真下(正義/ユースケ・サンタマリア)が拗ねていたりね(笑)」と撮影の裏話を明かした。
「でも、いいところもいっぱいあります。キャラクターがみんな育ってくれているので、服1着でもファンが喜んでくれるんです。『これが室井さんのコート!?』とか『すげー! 青島コートだ!』とかって(笑)それは青島くんじゃなくて単にコートだよ? しかも何パターンもあるうちの1枚だよ? と言ってもみんな感動してくれるんです。いやもう、すごいコンテンツだと思います」としみじみ語った後、どこかうれしそうに言った。「こんな作品、この先もう絶対出会えないですよ」(取材・文:早川あゆみ)