1年以上のロングランインディーズ映画、ヤジと応援飛び交う「ツッコミ上映」開催で大盛り上がり!
まずは森山が「映画上映中の発声・応援・ヤジ・いずれもオッケーです。ただし、役者本人への誹謗(ひぼう)中傷はお控えください。ただし(監督の)小野さん、(脚本の)堀さんに対してはオッケーです」などと応援上映の心得を伝授し会場は大笑い。その後、工藤からの「それでは関東の皆さん、プレイボール!」という合図とともに、上映がはじまった。
客席後方にはキャスト、スタッフが陣取り、一緒に映画を応援<ツッコミ>しながら鑑賞すると、さっそく野球の試合さながらに「声を出していこう!」という声が。映画冒頭、“にっかつロマンポルノ”のパロディー的な、N(にっかつ)ならぬ「K(かぶけん)」のロゴが登場すると会場は「ありがとう!」の大喝采。
そして冒頭、夏子の夫が心酔し、後に卑劣な手で夏子を野球の道に引きずり込むこととなる監督・重野が登場すると、客席からは「帰れ!」の大合唱。その何を考えているのかわからない重野の謎の言動がさく裂するたびに、そして夏子を野球漬けにしようと画策するシーンが登場するたびにヤジが飛び交い、ある意味で大人気の重野だった。
一方、森山が演じる夏子が登場するたびに「かわいい!」など声援が飛び交い、某野球マンガに登場する養成ギプスのようなもので特訓するシーンでは「がんばれ!」と力強い応援の声が寄せられるなど、上映は終始大盛り上がり。クライマックスでは、観客同士が自然と「お疲れさま!」「ありがとう!」「いい映画だった!」と健闘をたたえあっていた。
上映後、再びステージに立った小野監督は「この映画はシネマ・ロサで上映されていたのに、なんで今日は新文芸坐さんでの上映なんですか?」という質問に、大ヒット中の『侍タイムスリッパー』を引き合いに「それに比べて、去年のポテンヒットした映画なんてね。向こうは場外ホームランでも、こっちはようやく最後の打席に立ったくらい」と自虐的に語るも、客席からは「こっちもホームランだよ!」と声援が。 また、劇中で夏子を熱演した森山は「これがわたしの初主演映画なんですよ」と切り出すと、「シネマ・ロサで公開されてから1年以上がたっているんですよね。そして、1年以上続けて上映してくれている劇場が愛知にあって。本当にうれしいです。皆さんにも本当に感謝しています」と現在の素直な心境を明かすと、大きな拍手が起こった。