内閣不信任案賛成、今もオプション 国民・玉木氏が自民けん制【解説委員室から】
◆企業・団体献金の扱い、第三者機関で論議を ―企業・団体献金の禁止について、「団体を除く」と書かれている立憲案には「抜け穴がある」と反対しているが。 ▽企業・団体献金について、私は全面禁止してもいいと思うが、石破首相も言った通り、本当に全面禁止すると憲法21条(表現の自由)に抵触、あるいは違反するという可能性が残るかもしれない。その意味で言うと、立憲もよく考えていて、完全に「穴」をふさぐのはまずいと分かっているので、政治団体を除いたとも考えられる。 与野党協議の場があるので、もう少し冷静に議論した方がいい。献金の上限規制を入れるとか、企業・団体献金の受け入れ先は党本部だけにし、その代わり厳しい政党法をつくり規制を設ける方が、より良い合意になる気がする。 私は今国会でまず調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開と残金の国庫返納のルールと、(使途公開の義務がない)政策活動費の廃止、政治資金を監視する第三者機関の設置、この三つを先に決めて、企業・団体献金の扱いのような、なかなか政治家では決められないような問題は、独立性の高い第三者機関を設置して決めてもらえばいいと思っている。 もう一つ、今回の裏金問題の一番の根源は政治資金パーティーだったが、パーティーの開催問題は何も議論していない。いくら企業・団体献金を禁じても、企業・団体にパーティー券を買ってもらったら一緒なのに、立憲民主党は何も言わない。かつて立憲が法案を出しながら幹部がパーティー開催を予定して批判され、懲りたからだろう。 (※自民・立憲両党は12月16日の国対委員長会談で、政策活動費の全面廃止などで合意。企業・団体献金の禁止に関しては、来年3月の年度末までに結論を出すことを確認し、結論を先送りした。) ◆3党幹事長合意、どこまで達成できるか ―国民民主党はよく自民寄りと言われるが、各党と等距離の姿勢は変わらないか。 ▽まず大前提を言うと、私たちは石破政権の延命に協力する気は全くない。政策の実現に協力する気はあっても、特定の政権維持に協力をするわけではない。結党以来、メディアから自民党に擦り寄っていると言われ続けてきたが、それでも有権者は私たちを評価し、衆院選で公示前より4倍の議席を与えてくれた。 それはなぜかというと、「対決より解決」「政策本位」で来たからだ。政策ごとに各党と等距離というのは党大会の活動方針に書き、選挙でも訴えてきた。与党と協議することに何の恥じらいもない。 ―来年度予算案の賛否を考える上で、何を重視するか? 内閣不信任決議案が出た場合の対応は? ▽今回の自公国3党の幹事長で合意した内容がどこまで達成できるかが、来年度予算案の賛否にも大きな影響を与える。それが一番大きい。われわれは「トリガー条項」の時に、ある意味、いろんな教訓を学んだ。 (※国民民主党は22年、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」の凍結解除を要求し、自公と政策協議を進め、22年度予算案の採決では野党として賛成する異例の対応を取った。しかし、その後の協議で自公は難色を示し、実現しなかった経緯がある) 中途半端なことで予算案に賛成したりはしない。私たちは政策が実現しないなら、いつでも反対に回る。内閣不信任案だって、(賛成を含め)いろんなオプションは常にある。誰と組むかより、何を成し遂げるかに重きを置いた判断を常にしている。相手は変わるし、判断する中身も変わる。だから、今の政治は新しいスタイルだ。