モンスターだらけ…アフリカ最強ストライカーの系譜(2)197cmで巧すぎ…!アーセナルで完全復活、FWで背番号4といえば
ワールドカップ優勝国などは出ていないが、欧州サッカー界では常にアフリカにルーツを持つ選手たちが存在感を発揮している。中でもストライカーのポジションには驚異的な能力を持つ選手が多く、各年代に世界を席巻した選手がいた。そんな祖国では英雄的な扱いを受けることも少なくない、アフリカ各国の国籍を持つストライカーたちの系譜を振り返る。
ヌワンコ・カヌ(ナイジェリア代表) 生年月日:1976年8月1日 代表通算成績:87試合出場/12得点 主な獲得タイトル:アフリカ年間最優秀選手賞(1996、1999)、アトランタ五輪金メダル(1996)、UEFAチャンピオンズリーグ(1994/95)、UEFAカップ(1997/98)、エールディビジ(1993/94、1994/95、1995/96)、プレミアリーグ(2001/02、2003/04) 身長197cmと大柄でスピードに欠けるが、卓越したゲームビジョンを駆使しながら、繊細なボールコントロールや巧みなドリブル、意外性溢れるパスで観客を沸かせた。決して身体能力任せではなく、テクニカルでアシスト能力にも優れたストライカーだった。 ナイジェリアからオランダの名門アヤックスに引き抜かれ、国内リーグ3連覇やチャンピオンズリーグ(CL)制覇に大きく貢献。代表でも力を発揮し、1996年にはアトランタ五輪で金メダルを獲得した。 ただ、アヤックスでの活躍が評価されてインテルに移籍し、五輪から戻った直後に心臓弁膜症を発症して1996年11月に手術を受けることに。一時は選手生命も危ぶまれたが、15ヶ月後の1998年2月、賢明な治療の末にカムバックを果たした。 インテルでは思うようなプレーを見せられなかったが、1999年2月に移籍したアーセナルで完全復活を果たす。FAカップ優勝2回、プレミアリーグ制覇2回と数々のタイトル獲得に貢献した。2003/04シーズンに無敗優勝を果たした際は出場機会を減らしていたが、チームに欠かせない選手の1人であり続けた。 ウェストブロムウィッチを経て2006年からはポーツマスに移籍した。心臓の持病を抱えながらもカヌにとって最後のクラブとなったポーツマスでは6シーズンにわたって中心選手として活躍。ゴールこそ減ったものの、持ち前のテクニックとビジョンでチャンスメイクで存在感を発揮した。 ナイジェリア代表では1994年から15年以上にわたって招集され、1998年、2002年、2010年と3度のワールドカップに出場。“スーパーイーグルス”の背番号4といえばカヌというイメージを作り上げた。A代表では通算87試合出場12得点という成績を残した。