ONE OR EIGHTが待望のデビュー、洗練されたダンスポップで体現する「無限」のポテンシャル
2024年6月20日に公開された楽曲「KAWASAKI」のパフォーマンスビデオが公開10日にしてYouTubeでの再生回数が1000万を突破し、突如注目を浴びた8人組ボーイズグループ、ONE OR EIGHT。その正体はというと、YUGA、SOUMA、REIA、TAKERU、RYOTA、TSUBASA、MIZUKI、NEOで結成された全員日本人のグループだ。 【写真をすべて見る】ONE OR EIGHTのメンバー 韓国や日本で寮生活をしながらトレーニングを重ね、デビュー前にもかかわらず、ボーイズグループシーンの次なる台風の目となる予感を感じさせるONE OR EIGHT。8月16日にリリースされたデビュー曲「Don‘t Tell Nobody」がまた強烈なインパクトを放っている。 プロデュースを手掛けたのは、アメリカのコロラドスプリングス出身のポップ・ロックバンド、One Republicのフロントマン、Ryan Tedder。ビヨンセの「Halo」や「XO」、アリアナ・グランデの「Why Try」、レオナ・ルイスの「Bleeding Love」等、多くの楽曲を手がけ、グラミー賞を受賞しているアデルのアルバム『21』と『25』、テイラー・スウィフトの「1989」にも携わっているトップ・プロデューサーだ。加えて、BTSの「Dynamite」のプロデューサーで知られるDavid Stewartが参加している上に、「KAWASAKI」にもクレジットされており、カニエ・ウェスト&タイ・ダラー・サインの「Stars」他、クリス・ブラウンやポスト・マローンの楽曲にも関わっているLucien Parkerの名前があることも見逃せない。「Don‘t Tell Nobody」はグローバルシーンにおけるポップ/R&B/ヒップホップの重要人物が集結したデビュー曲であるということだ。 「KAWASAKI」はジャージークラブをベースにしたサンプリングを大胆に導入したトラックに歯切れのいいシャープなラップが乗るミニマルなヒップホップチューンだったが、「Don‘t Tell Nobody」は流麗なメロディが叙情的に響く、とても洗練されたダンスポップに仕上がっている。幾度となく響き渡る美しく伸びやか、且つ雄弁なボーカリゼーションからはONE OR EIGHTの底知れぬポテンシャルがうかがえる。 全編英語詞で、狂気と情熱をエンジンに天井を取っ払い、KAWASAKIのバイクのように高速で飛ばしていく、というONE OR EIGHTにとってのプロローグ的な宣言だった「KAWASAKI」とは違い、「Don‘t Tell Nobody」の歌詞は英語詞に少しばかりの日本語詞が入ってくる。何度も繰り返される「Can’t stop doing the things that we doing, the things that we doing, don’t tell nobody」(僕たちがやっていることを止められない 誰にも言わないで)というメッセージ。それは「We the new bad boys of Tokyo」というラップパートのリリックにもあるように、既存の枠組みにとらわれずに世界を目指す新たな東京の悪ガキ=ONE OR EIGHTとしての宣言であると同時に、ONE OR EIGHTはまだ世界中に知られる存在ではないが、やがて誰もが知る存在になる、ということをも示唆している。「KAWASAKI」でも体現していたストリートなバッドボーイ感は今作でも顕著だ。 ミュージックビデオでは、「KAWASAKI」に続き、富士山がモチーフとして登場し、加えて車のドリフトや東京タワーが現れ、退屈な日々に変化を起こす8人のHAPPY BAD BOY=ONE OR EIGHTの姿に迫ったものになっている。 ONE OR EIGHTというグループ名は「一か八か」に由来しており、スローガンは「BET ON YOURSELF=自分自身に賭けろ」。恐れるものなど何もないと言わんばかりのやんちゃな悪ガキスピリットと、ハイクオリティな歌/ラップ/ダンスによって、ONE OR EIGHTはこれからどんな刺激的な世界を見せてくれるのだろうか。そう期待せずにはいられない鮮烈なデビュー曲だ。
Kaori Komatsu