【雑学】埼京線は東北新幹線の「おまけ」だった!?「もめにもめてできた路線&駅」3選とは??
JR京葉線で、今年3月のダイヤ改正で廃止予定だった快速・通勤快速を、地元の反発を受けて一部存続させるという異例の事態が起きた。特に、通勤快速が東京から直通していた千葉市や一宮町など、千葉県中央部の自治体からの抗議が大きかった。このような、鉄道事業者と地元の攻防は、列車の存続や廃止にとどまらない。鉄道路線がまるまる生まれてしまうケースもある。 「や、やめて」…2年間で50件!朝の満員電車で女子高生を「痴漢の49歳変装男」戦慄の素顔画像 ◆東北新幹線建設の際生まれた「埼京線」 その名の通り、埼玉と東京を結ぶ動脈になっているJR埼京線。この路線は、赤羽から大宮までの新幹線とセットで作られた。 1月23日、東北新幹線の上野~大宮間での架線トラブルは東日本の各新幹線に大きな影響を与えた。同日夜、復旧を急いだJR東日本は、現場で新幹線に並行する埼京線まで一時運転を休止させる措置に出た。 が、そもそもなぜ埼京線と東北新幹線が並行しているのか? 答えは歴史にある。 東北新幹線と上越新幹線は、’71年からまず東京(上野)と盛岡・新潟の区間で着工。うち都市部を走る東京~大宮間では、用地の確保が難しいため当初は赤羽から先は地下を掘り進める計画だったが、高架線を作る案に変更された。ところが、高架案に沿線で猛反対が巻き起こった。 それは、’70年代に東海道・山陽新幹線で騒音が社会問題化したことが理由だった。とりわけ名古屋市での新幹線騒音訴訟は住民と国鉄が最高裁まで争い、新幹線の騒音基準の設定と住民への和解金の支払いでようやく決着をみた。こうした状況から、東北新幹線沿線でも騒音を懸念した住民が反対運動を繰り広げ、自治体も強気に転じたために国鉄は用地買収もままならなくなる。 そこで国鉄は、殺人的なラッシュが常態化していた埼玉県内の東北本線・高崎線の混雑緩和に目をつける。大宮から赤羽の間に新幹線と並行する新線をつくり、埼玉から東京への通勤・通学客を流そうというものだ。戸田市・与野市・浦和市といった自治体もこの案に同意し、新幹線に並行する埼京線の計画が生まれる。