片岡凜、渡邉美穂、川床明日香、池田朱那 『虎に翼』で活躍した若手女性キャストたち
視聴者を驚愕させた美佐江/美雪役の片岡凜
東京地裁民事第二十四部に所属する、寅子の後輩の裁判官・秋山を演じたのは、現在24歳の渡邉美穂。寅子を慕っており、物事をはっきりと言う性格の秋山だが、妊娠したことで、今後も裁判官の仕事を続けていけるのか悩み、「私、やっぱりここで辞めたほうがいいんじゃないでしょうか」と、寅子に弱音を吐く。 寅子はそんな秋山を案じ、自身の経験において苦労してきた、女性の働き方や産休について改めて考え、女性法曹の環境を良くするための署名を集め、意見書を最高裁判所事務総局に提出。「ここまでやってもらって成果があげられなかったら……。期待に応えられる気がしなくて」と不安な想いを打ち明ける秋山に、居場所は確保するので、戻ってくる選択肢があることを覚えておいてほしいと励ます寅子。 寅子を頼って相談した秋山は、自分のために全力を尽くしてくれる、先輩裁判官である寅子に感謝し、元気を取り戻していく。寅子の前で弱いところを見せた秋山だが、実はよねとは司法修習の同期で、裁判官の仕事で成功したいという思いが強い上に、女性としても完璧でありたいと考えていて、よねによると「同期の誰よりも早く出世して社会を変える」と息巻いていたという。 過去には、ちょっと周囲から嫌われそうな態度を取っていた秋山だが、寅子と一緒に仕事をするうちに、法曹界で働く女性のさまざまな悩みに直面し、成長していった。そんな秋山をチャーミングな魅力で表現した渡邉は、2022年にアイドルグループ・日向坂46を卒業し、現在は俳優として出演作を増やしている。 グループ所属中から、『星になりたかった君と』(2021年/日本テレビ系)などに出演し、演技力が高く評価されていた渡邉。卒業後は俳優業に専念し、『SHUT UP』(2023年/テレビ東京系)や『あなたの恋人、強奪します。』(2024年/ABCテレビ・テレビ朝日系)などにレギュラー出演した彼女は、11月8日公開予定の映画『あたしの!』に、INIの木村柾哉とW主演。『虎に翼』の秋山とは全く違う女子高生役に扮する渡邉にも期待したい。 そして、『虎に翼』の新潟編から登場し、視聴者を釘付けにしたのは、現在20歳の片岡凜だ。彼女は、成績優秀な法学部志望の高校生だが、周囲の男子や女子高生を操り、犯罪に手を染めさせるも、寅子たちに証拠をつかませない美佐江役を怪演。やがて、美佐江は東京大学に入学し、しばらく音沙汰がなかったことから、彼女のその後が気になって仕方ない視聴者が続出した。 ドラマの終盤になって、片岡は美雪役で再び登場。東京家庭裁判所少年部部長の寅子の前に、美佐江にそっくりな少女が現れ、寅子を、そして視聴者を驚愕させた片岡。寅子が最後に美佐江と会った時から、20年以上経っているからだ。その後、美佐江と美雪は母娘だと発覚。2役を演じる片岡は、『虎に翼』の中で唯一とも言える“サスペンス展開”の中心を担い、最終週までストーリーを引っ張る存在に。 寅子に「先生は私の特別です」と言って、赤い腕飾りをプレゼントした美佐江。この腕飾りは、美佐江のために犯罪に手を染めた若者たちも身に着けていたが、美雪が大切に持っている手帳には栞として付けられていた。 美佐江の母・佐江子(辻沢杏子)から、美佐江が亡くなったことを知らされた寅子。公式サイトによると、最終週で佐江子は、美雪の姿や喋ることがどんどん美佐江に似てきていることを心配し、寅子に助けを求めるという。美佐江と美雪の細かい表情を微妙に演じ分けている片岡は、番組の最後まで視聴者を夢中にさせ続けるに違いない。 これまで、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年/TBS系)や『ギークス~警察署の変人たち~』(2024年/フジテレビ系)などにゲスト出演してきた片岡は、10月期のTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』への出演が決定。『虎に翼』で最も注目を集めた若手俳優と言っても過言ではない片岡は、今後もどんどん翼を広げていくだろう。
清水久美子