未経験でもプロを目指せる!? 「競輪選手」という生き方
億超えの賞金目指し、ペダルを漕ぐ
競輪の主役は、もちろんバンクを駆ける選手たちです。当然越えなければいけないハードルはいくつもありますが、競輪選手は未経験者でも目指せるプロスポーツで、国家試験に合格すれば一流のアスリートになれます。2024年3月現在、男女合わせて2409名の競輪選手が活躍しており、最も選手の数が多いプロスポーツでもあります。 【画像】競輪選手の画像を見る(5枚)
年齢層は10代から60代までと幅広く、50代でもS級で活躍中の神山雄一郎選手など、他のスポーツに比べて年齢を重ねても活躍できますし、オリンピック選手になる道もあります。 競輪選手は級別に応じてレースに出場し、賞金を得ることが主な収入源です。女子競輪も「ガールズケイリン」として開催されています。 日本でプロの競輪選手になるには、日本競輪学校への入学試験、約1年間の学校での訓練、国家資格試験の合格、そしてプロデビューという4つのステップが必要です。 入学試験は一般試験と特別試験に分かれており、経験豊富なサイクリストだけでなく、他のスポーツ出身者や特定の自転車競技経験がない人も対象としています。 競輪選手の日常は、レースの有無によって異なります。レース開催日は、朝早く起きて、競輪場での練習や車体の整備、レース出場、仲間のサポート、そして選手宿舎での夕食と休息に至るまで、1日のスケジュールはびっしりと埋まっています。 レースのない日は、家族との時間を大切にしたり、個人練習に励んだりと、自己管理と回復に重点を置いた活動が中心です。 競輪選手の主な収入源はレースの賞金です。賞金は順位やクラスによって変動しますが、2022年の男子最下位クラスであるA3の平均賞金取得額は824万6769円で、最上位のSSだと1億3972万9133円、最高取得金額は3億584万2300円です。 女子の平均は842万7442円で、最高取得金額は3095万5400円です。男女問わず1000万プレイヤーがゴロゴロといて、「億超え」も夢ではない、それが競輪選手です。 当然華やかな側面だけではありません。競輪選手はレース出場の増加に伴い、全国各地の競輪場に出向く必要があり、結果として月の半分近くは自宅を留守にすることがあります。 また、競輪は公営ギャンブルであるため、八百長防止の規制が厳しく、レース期間中は通信機器を預けて選手宿舎に滞在し、緊急時以外家族との連絡が取れない状況になります。これはとくに子供がいる選手にとって、家族との時間が作れず苦痛となるケースが少なくありません。 誰にでも真似できるものではないイバラの道を進み、バラ色の頂点を目指して激烈な努力を惜しまない競輪選手たち。その生き様を、競輪場で目の当たりにすることができるのです。
3号(キャプテン自転車部)