この道21年、職人が繰り出す「韓国・済州島にしかない料理」とは
【09月21日 KOREA WAVE】韓国・済州島には、38年間にわたって郷土料理を作り続け、そのうち21年間、「済州キンイ」の料理に専念してきた職人がいる。その人物こそ、飲食店「モメジョン」のハン・スヨル代表だ。 「キンイ」とは済州の方言で「カニ」を意味し、済州の海では浅瀬の岩場で見つけることができる。観光地の飲食店で提供されるアワビ粥やクボガイ粥はよく見かけるが、正統なキンイ粥を提供する店はほとんどない。ハン代表は昔ながらの料理法でキンイ粥を作り、「済州唯一のキンイ粥職人」に選ばれた。 キンイは小さなカニだが、カルシウムやキトサンが豊富で、骨や筋肉の健康に優れた効果があるとされ、済州の海女たちは夏の栄養補給として食べてきた。ハン代表が作るキンイ粥の材料は、キンイと米だけ。キンイを丸ごとミキサーにかけて粥を作るため、栄養素が一皿に凝縮されている。 この店では、他にもキンイの出汁を使った「栄養カルグクス」(韓国式うどん)や、キンイを丸ごと揚げた「キンイ揚げ」などの料理も楽しめる。ハン代表は、2010年に「済州郷土料理コンテスト」でキンイを使ったカルグクスで大賞を受賞した。 ハン代表は、母親が海女、父親が漁師という環境で育ち、現在も自ら海に出て食材を収穫している。全ての食材は済州産にこだわり、時間があれば海や山に出かけて材料を調達しているという。 来年には済州市九佐邑(クジャウプ)の金寧里(キムニョンリ)に拠点を移し、キンイ漁の体験や教育を手掛け、済州の郷土料理としてのキンイ料理を広める。 ハン代表は「済州でしか味わえないキンイ料理を作っていることが大きな誇りだ」と語っている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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