ゲルを塗るだけで働く気力が上がる! 定年制度がないアメリカではニーズ激高、93歳会社社長も続けている「テストステロン補充」の効果とは
金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方 #3
アメリカでは一般的になりつつあるホルモン補充療法。やる気に関わるテストステロンを補充できれば、ビジネスパーソンがストレスに立ち向かう活力にもなるという。いったいどのように体に作用するのか、男性更年期に詳しい順天堂大学の堀江重郎氏に解説してもらった。 〈図〉1日の中でテストステロンの働きが落ちる時間帯とは? 本記事は、書籍『金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方』より一部抜粋・再構成したものです。
日本ではなじみの薄いテストステロン補充
LOH症候群(男性更年期障害)の治療は泌尿器科など男性更年期を診る科のほか、アンチエイジング医療を行うクリニックで受けられるが、テストステロン補充療法や、薬物療法、エクササイズ、食事療法、マインドフルネス、リラクゼーション等さまざまな治療法がある。 原因がテストステロンの減少なのだから、足りないものを与えるテストステロン補充療法が理にかなっていると思うのだが、日本では男性に向けたテストステロン製剤が少ないのだそうだ。 保険適用されるのは、なんと30年以上前に承認された筋肉注射剤しかなく、効果は数日程度で副作用も大きく、何より注射なので痛い。海外ではテストステロンを補充するゲルや経口薬などがあるというのに。 なぜ日本では、テストステロン補充を目的とした薬が開発されないのか? 「日本では、ホルモンを補充するという考えがまだ一般的になっていないんです。不安を感じたり、危険意識を持ったりする方も少なくありません。また、定年退職という制度があり、退職後は隠居して静かに暮らすという、ある意味〝枯れていく〞文化も背景にあるのだと思います。 ですが、少子化や高齢化社会の状況を鑑みると、このままで良いわけはありません。ストレスによって早期にLOH症候群になることを防ぎ、健康寿命を延ばすためにも、治療に使える新しいテストステロンゲルを開発しました。ゲルのタイプで経皮吸収されやすく、副作用が少ないのが特徴です」(堀江教授) テストステロン補充療法の効果は、筋肉が増える、脂肪が減る、男性機能の回復、糖尿病リスクの低減、脂質異常症の改善などがあり、臨床テストでの主観的な効果としては、睡眠が深くなった、他者に左右されなくなった、不安感が減ったなどがあるそうだ。もちろん個人差はあるが、少量でも効果が現れるのも特徴だという。 ストレスにやられるのではなく、バネとして闘う気力に変えられるようになれば仕事を続ける期間も長く延ばせそうだ。