ゲルを塗るだけで働く気力が上がる! 定年制度がないアメリカではニーズ激高、93歳会社社長も続けている「テストステロン補充」の効果とは
テストステロン値は唾液でも測れる
LOH症候群かどうかの診断はもちろん、テストステロンの数値を知りたい場合は血液検査で測定する。そのほか、簡易的な方法として、唾液で測定する方法もある。堀江教授によるとメリットの多い測定法だそうだ。 「テストステロンの数値は環境や感情によっても変わるので、日によってかなり数値が変化することがわかっています。この検査が一般的に広まれば採血よりも気軽に、測定する場所も医療機関に限らず、スポーツジムなどでも可能になるでしょう。エクササイズの後など、こまめに測ることで自己管理もしやすくなると思います」(堀江教授) ビジネスにおいても使えそうなデータが出ている。 「研究によって、一番数値が低くなる時間帯が15時ごろだとわかりました。テストステロンは決断にも関わるホルモンなので、15時ごろは重要な意思決定は難しいかもしれません。スケジュールを組む際にも数値が参考になるでしょう」(堀江教授) テストステロン療法について堀江教授から得る情報を聞くに、やる方が良いことばかり。しかし医療には必ずリスクがある。特に自費治療の場合はやれることの幅がかなり広くなるが、リスクの確認は必ずする。僕は、できうる限りのすべてを知った上でメリットとリスクを天秤にかけ、やるかどうかを決めている。 「テストステロン補充のリスクは非常に少ないです。ボディビルダーのように、一時的に大量投与する場合は注意しなくてはいけませんが、そうでない限りほとんどリスクはありません」と聞き、まずはテストステロン値を測ってみることにした。
ゲルを塗るだけで働く気力が上がる!?
測定結果を聞くために、クリニックを再び受診して堀江教授の説明を受けた。堀江教授の所見はこうだった。 「総テストステロン値はあまり高くはありませんが、フリーテストステロン値は高いです。フリーテストステロンとは『遊離型テストステロン』とも呼ばれるもので、心身の症状との相関性も明らかになっています。我々はこの2つの数値を見て判断するのですが、良いパターンですね。血液のデータ自体も非常に良く、亜鉛の数値も十分で、食生活が良いことがわかります。ビタミンDもまあまあいいですが、サプリを少し足してもいいかもしれません」(堀江教授) テストステロン補充が必要という結果ではなかったが、モニターとして試用させてもらうこととなった。堀江教授が開発に関わったテストステロンゲルである。チューブ入りで皮膚に塗るだけなので使い方は簡単。 基本的にはどこに塗ってもいいが、あまり毛が生えていないところがベターらしい。「会社ではやる気が出ない」という人はテストステロン値が低い結果が多いから、堀江教授はゲルの使用を勧めるそうだ。 「テストステロン補充に関して、ものすごくニーズがあるのがアメリカです。定年制度がないこともあるでしょうが、70歳を過ぎたお爺さんでも仕事をしているわけです。筋力が落ちて仕事に影響しないようにとか、93歳で会社の社長を続けているからという理由でテストステロン補充をしている。私が出会った高齢の方々は、皆、姿勢も話し方もとてもピシッとされていました」(堀江教授) こんなに簡単に使える薬があるのに、テストステロン減少が原因とも知らず、さまざまな症状に耐えている人がいるのが日本の現状なのだ。 写真/shutterstock
---------- 堀江貴文(ほりえたかふみ) 1972年福岡県生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。元株式会社ライブドア代表取締役CEO。現在は、ロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュースを手掛けるなどさまざまなジャンルで活躍。会員制コミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」のメンバーは2千人を超える。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『本音で生きる』(SB新書)、『多動力』『不老不死の研究』(ともに幻冬舎)、『むだ死にしない技術』(マガジンハウス)ほか著書多数。 ----------
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