【袴田巌さん再審】検察が控訴断念 検事総長談話を発表「申し訳なく思っている」
静岡地裁が無罪判決を言い渡していた袴田巌さんの再審で、検察は、8日、控訴断念をしたことを明らかにするとともに、検事総長談話を発表し、相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことについて謝罪しました。 検事総長談話では、静岡地裁が捜査機関によるねつ造を認定した犯行着衣とされた「5点の衣類」について「捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ない」。「本判決(再審無罪判決)は、理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容と思われます。」と反論しています。 ところが、袴田さんに対し「再審請求審における司法判断が区々(まちまち)になったことなどにより、袴田さんが、結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し」「刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳なく思っております。」と謝罪しました。 さらに、「最高検察庁としては、本件の再審請求手続がこのような長期間に及んだことなどにつき、所要の検証を行いたい」と述べています。