【阪神】売り出し中の豊田寛サヨナラ導く代打安打 プロ初安打翌日は鳴尾浜の仲間たちが歓喜の声
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-1日本ハム>◇18日◇甲子園 サヨナラ呼ん打! 売り出し中の阪神豊田寛外野手(27)が、劇勝を導く代打安打を決めた。1-1の延長11回1死。島本に代わって起用され、日本ハム矢沢の144キロ直球を中前へ。お手本のようなセンター返しで、代走植田にバトンタッチした。その後、三進した植田が矢沢の暴投で生還。サヨナラ勝ちを呼び込み「ほんとに、素直にうれしい」とかみしめた。 植田はもちろん、豊田にも歓喜のウオーターシャワーが浴びせられた。「初めてですね。まだちょっと興奮しているという感じ」。試合後もクールな男の興奮は収まらず。入団3年目で3本目の安打は、チームを救う貴重な1本となった。 13日のオリックス戦でプロ初安打を含む2安打をマーク。昨季は1軍昇格が1度もなかった男が新たな風を吹かせている。その効果は2軍にも。豊田がプロ初安打を放った翌日、鳴尾浜でともに汗を流してきた男たちは歓喜の声を上げ、刺激を受けていた。高寺が、遠藤が、戸井が、小野寺が、北川2軍打撃コーチが…。自分のことのように「うれしい」と口をそろえた。 誰にでも優しく、穏やかな27歳だからこそ、そう言ってもらえるのだろう。2年ぶりの1軍では「ピッチャーの研究、裏での準備。見習うものがある。そのぐらいしないと結果が出ないっていうところ。自分も準備していけたら」と、代打で一振りにかける糸原、原口らの姿から学んでいる。19日はゲーム勘を養うため、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(鳴尾浜)に出場予定。朝は6時起きという。クラブハウスにバットを持って引き揚げた。【中野椋】