芝田山親方「最高体重213キロ」サプリなしで作った体 現在は「30キロ」減量が目標
どんな世界も一流になるためには、それ相応の覚悟と努力が必要だ。時に身体に負担をかけることもある。「スイーツ親方」として知られる芝田山親方(元横綱・大乃国、芝田山康さん=61)が、自身の健康を語った。 AERA 2024年5月13日号より。 【写真】現役時の最高体重は213キロ!当時の芝田山親方はこちら * * * 現役引退してからは「スイーツ親方」なんて呼ばれもしますが、日常的に甘いものは食べていますよ。後援会の方々がその地域のおいしいお菓子や食材を箱いっぱい送ってくださるので、時間を見つけてはつまんでいます。 甘いものはよく食べますが、おかげさまで内臓は何の異常もないんです。胃カメラの検査は年1回、血液検査は頻繁に行っていますが、特に悪いところはない。一時、降圧剤を飲んでいた時期もありましたが、今は血圧も落ち着いていますね。丈夫な体に生んでくれた両親に感謝しています。 現役時の最高体重は213キロでした。でも元々は細身で、新弟子検査の時は83キロ。その後3年ほどで105キロくらいまで増えたんですが、当時の後援会関係者に「いま何が欲しい?」と聞かれて「もっと体重が欲しい」と答えたのを覚えています。今となってはいらないんですけどね。 その後、十両を通過した頃には、145キロくらいになっていました。急激に体が大きくなっていったので、周囲からはサプリメントや薬など、食事以外のもので体を大きくしたんだろうと言われることもありました。でも、私は一切そういった類いのものを使ったことはないんです。サプリを飲まないのは今もそうで、ただ食べることが好きなんですよね。 力士は食べることも仕事みたいな感覚があります。若い頃は先輩らと3人で70人前以上の焼き肉を食べるとかね。無理していたわけでもないし、むしろ食事が楽しみでした。休むことなく、厳しい稽古もしていたので、体重が増えても、重くて動けないということはありませんでした。
■引退後は勝手が違う ただ、引退後はやはり勝手が違いますね。今、体重は165キロ前後。筋肉量が現役時とはまったく違うので、この大きな 体を支えられなくなってきています。腰部脊柱管狭窄症で2度の手術をしまして、それでも腰痛が引かず、2年前には両股関節を手術で人工関節に置き換えました。それで腰の痛みは取れたんですが、今は変形性膝関節症で、外出時にはステッキを使っています。 実は、1991年に28歳で引退してから、運動らしい運動をしたことがないんです。引退後も継続的に筋肉を衰えさせない程度の運動はした方がいいということを痛感しています。 そして、生活習慣を変えていくことも大切だと感じています。私は内臓はピカイチなんですが、体重を整えねばなりません。まず30キロほど体重を減らす目標を立てないといけませんね。 生活習慣病にならないよう油ものや糖質、炭水化物を必要以上に取らないようにしたり、お通じを良くするために発酵食品を食べたり。年齢とともに自然と欲求が変化していく面もありますが、急に変えるのは難しいですから、やはり日頃から意識しておいた方がいいですね。 人間は自然の中の生き物ですから、日が昇るとともに起きて、日が沈むとともに寝る。そしてサプリではなく、土で育ったものをバランスよく食して体を整える。それが人間の健康を作る上での基本であり、一番大事なことだと思います。 (編集部/秦正理) ※AERA 2024年5月13日号
秦正理