Living in Sapporo《フランス人》ニコラさん前編 『菊と刀』日本に興味
偶然空席ができた札幌赴任 日本語がわからぬまま来日
私が日本にやってきたのは1996年、大学院を卒業して3か月後のことでした。フランスでは当時徴兵制度があり、1年間を国のために捧げることになっていました。実は徴兵か海外ボランティアを選択でき、私は海外ボランティアを希望していたところ、「札幌に空きが出たのですが、行きますか?」と連絡が来て、札幌に来ることになりました。 その時には、まだ日本語はまったく話せませんでした。さらにいうと、札幌がどこにあるかもわからなかったんです。「札幌は、日本の北海道という離島にあって、その中では一番大きな都市」と知るのは、赴任が決まってから。札幌冬季オリンピック(1972年)の前の開催地がグルノーブルだったことを知って、親近感が湧きました。 そして来日。1年3か月で帰国する予定が、すでに20年が経過してしまいました。札幌の「山がある風景」は、アルプス山脈の近くで生まれ育った私にはリラックスできるものだったんです。 ※後編は18日(月)に掲載します。